広島カップ

シング・ストリート 未来へのうたの広島カップのレビュー・感想・評価

5.0
みたかぁッ!80年代ポップミュージックの底力を!

あくまで個人的な見解ですが、この頃のポップミュージックは大衆音楽史を見渡しても軽く見られている気がします。
私はそれらにドップリと浸かって過ごして来た世代なので忸怩たる思いがしていました。
そんな訳で、優れた80年代ポップミュージックをど真ん中に据え、その魅力を伝えるこのような映画をかねてから待望しておりました。

商業主義に走り過ぎたロックにパンクがストップをかけ、その後開花した80年代ポップ。
再び「儲けてやるぜ」な輩が早くも出てきている一方、生き方を模索する若者達の純粋な指向性が反映している音楽も確かに存在していたロンドンやダブリンの様子だったと思います。
まさにこの映画の主人公が体現している世界ですね。

『ONCE…』『はじまり…』と比較して登場人物が一気に若くなりました。
そして舞台はニューヨークから再びダブリンへ…
女の子の気を引くのにバンドを始める、楽器を始める、そういう人が私の職場の隣にも座っています。
若い世代にありがちな話がベースです。私だってかつては……

“甘酸っぱいもの“
を観たのはいつ以来でしょうか?
ちょっと思い出せません。
最後も、若者達の未来に一山も二山も困難が待ち構えていることを歓迎するかのような見事なエンディング……
Aztec Cameraの“Walk out to winter“が聴きたくなりました。
広島カップ

広島カップ