ドント

グリーンルームのドントのレビュー・感想・評価

グリーンルーム(2015年製作の映画)
3.6
2015年。『ブルー・リベンジ』の監督が送る本作のカラーは「緑」。貧乏パンクバンドが旅先で出演したライブハウスはネオナチの皆さんの巣窟。殺しの現場を目撃したメンバーが楽屋に軟禁される。
パンクスvsネオナチと言えどもいきなりの殺し合いにはならないし、なにせ素人同士なので駆け引きの下手さ、暴力(最強の武器が犬。犬)のオタオタっぷり、傷の地味な痛そう感=全体のハレのなさがすごい。フラグもクソもなしに人が死ぬ無慈悲ぶりにも心がささくれるし、緑と灰色を基調とした映像は常に湿っていて暗鬱。ネオナチのボスPスチュアートの貫禄(頭はあんまよくない)に対抗し故・Aイェルチンが善良さで頑張りまくる。
「殺るしかねぇ……殺るしかねぇ……」というテンションに引きずられるが後に残るのは虚脱と虚無。よく考えたら貧困層vs貧困層だよね。つらさで終始しそうなのをパンクスらしい乱暴なカタのつけ方と幕の引き方がちょびっと救いかもしれない。
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