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スイス・アーミー・マンのharuのレビュー・感想・評価

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)
4.0
ハリーポッター(死体)がオナラジェットで空を飛ぶ話。

無人島に流れ着いたハンクはいつまでたっても助けがこないことに絶望し、今まさに首を吊ろうとしていた。そのとき目に入ったのは岸辺に漂着した一人の男。メニーと名乗る彼は始終屁をこき、水を吐き、下半身がコンパス代わりになる大変便利な死体。強力な道具を手に入れたハンクは無事に社会復帰できるのか!?

ジャンル不明ですが、クソ笑えてクソ泣ける映画です。ポール・ダノが主演ということでお察しですが、すごいのはダニエル・ラドクリフ。ハリーポッターからの脱却を目指して頑張っているみたいですが、だいぶ頑張りすぎてる気がします。今回死体役が上手すぎて、実はかなりの演技派だったことに気づかされました。
無人島で絶体絶命という極限状態の中、ハンクはメニーと奇妙な友情を築きます。設定は奇抜ですが、言いたいことはストレートなので、最後は「良い映画見た感」がすごいです。社会で生きる私たちは窮屈な日常に嫌気がさしていながら、「変人」に思われたくないから、本当の気持ちを隠したり、我慢したりする。つまり自由にオナラもできないのです。いつでもどこでもオナラをするには、大きな勇気が必要なんだと、メニーがオナラをしながら言うもんだから、すごい説得力がありました。
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