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ゴッホ~最期の手紙~のJINのレビュー・感想・評価

ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)
3.9
ゴッホの絵はいろんな展覧会で何点も見てきたし、5年前には京都市美術館で『ゴッホ展 空白のパリを追う』を観て、この映画のラストにも出てくる本人の肖像画も見ている。
38歳から絵筆を持ち、わずか8年で800点以上の作品を残すも生前に売れたのは1点のみという。

この作品が画期的だったのは、史上初の全編絵画の長編アニメーション映画であり、それもゴッホと同じ技法で描かれた油絵によるもので、もう最初から最期までその圧倒的な色彩の世界観にグッと引き込まれてしまった。
125人の画家チームで構成され、製作には4年もかかったのも当然だろう。
昔、黒澤明監督の『夢』の中で、ゴッホの絵の中に入っていく話があったけども、時代と共にテクノロジーは更に進化したのだと実感した。

内容もゴッホの死は本当に自殺だったのかというサスペンス仕立てで、彼の死の直前に関わった人達を追って行くのをとても興味深く観れた。
自分の作品が現在これほどまでに評価されるのを目にせずして死んでしまう人生って何やろうね?
真の芸術家とは孤高の存在なのかもしれないけど、ゴッホは本当は他人から評価してもらいたい人だったようには感じた。
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