ひろぽん

オール・アイズ・オン・ミーのひろぽんのレビュー・感想・評価

4.0
1996年に25歳という若さで銃撃され死去した伝説のラッパー2PACの壮絶な人生を映画化した伝記ドラマ。


伝説の黒人ラッパー2PACことトゥパック・アマル・シャクールの壮絶な人生をリアルに描いたもので、彼の生い立ちや出来事、人生がどのようなものだったのかこの作品を観れば分かる。

J HIP HOPが好きで聴いてると2PACの名前が時々出てくるから名前は知っており、曲も少しだけ聴いたことあるくらいの認識の人物だった。25歳の若さで亡くなった事もあって「神格化」されている部分もあるが、貧困や人種差別に屈せず自分の信念を貫き通し、ラップで世間にリアルなメッセージを発信し続けた姿は熱い男の生き様を感じる。

2PAC役のディミートリアス・シップ・ジュニアの見た目が2PACそっくりでビックリだし、演技も本人そのものに見えてくるから不思議。


2PACのリリックの大半が政治的なものや、ストリートのリアルな現状を歌った強烈さに加え、彼の教養の高さも兼ね備えてるから多くの人の心に刺さったんだと思う。HIP HOPの根底がリアルという価値観は彼が作り上げたようにも感じた。

“俺は世界を変えられないけど、自分の音楽を聴いた誰かが世界を変える”

名言と言われるこの言葉の真意は、メッセージ性の強い彼のリアルを伝えるリリックに共感した人の和が広がり彼のように立ち上がる人が増えていき世界が変わるという意味なのかも。


俳優とラッパーという2足のわらじで活躍する事も凄いし、とてつもないスピードで曲作りをして生前より死後のアルバムが多くバカ売れしたというのは伝説扱いされるのも分かる。弾丸を5発食らって生き延びたというエピソードや訴えられた裁判で包帯グルグル巻きで出廷したというエピソードは印象深い。喧嘩ばかりして品のないように感じるもシェイクスピアが好きという事やこの業界でも稀な知性派という点でカリスマなんだろうね。

デス・ロウ・レコードのシュグ・ナイト怖すぎ。やってる事マフィアと同じやん。Snoop DoggやDr. Dreは現在も活躍してるから登場した時は嬉しかった😎

2PACの成り上がりや苦悩や葛藤を深堀せず彼の人生を淡々と描いているから少し物足りないようにも感じる。好きな人からすると良作だけど、HIP HOPに興味ない人や知らない人からするとどうなのかなという作品。EMINEMの『8 Mile』とは違う面白さ。

2PACの曲『All Eyes On Me』も好きだけど『Dear Mama』も好きな曲のひとつ。


“子どもに残せるのは文化と音楽だけ”


“Only God can judge me.”
俺を裁くのは神のみ。

“Thug life”
ひろぽん

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