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バリー・リンドンの一のレビュー・感想・評価

バリー・リンドン(1975年製作の映画)
3.3
巨匠 スタンリー・キューブリック監督作品

18世紀後半のヨーロッパを舞台に、野望に燃える青年の立身出世と晩年の悲惨な人生を描く

まさに激動の人生で波瀾万丈が過ぎる
しかしそれほど派手な演出もなければ意外にも淡々と進むストーリー

道楽だけの人生かと思いきや、貴族にも裏切りや争いが絶えずあり、華やかさと虚しさを絶妙なバランスで捉え、人間の根底にある醜さを生々しいほど鮮烈に描き出す

どこを切り取っても美しき絵のようなシーンの連続で、ゴージャスなファッションや洗練されたインテリアはもちろん、ワンカットの丁寧な積み重ねから色彩や物語の奥行きなどと、細部にまでこだわりを感じられる緻密な作り具合が見てとれる
壮大な音楽も物語に非常にマッチしていて素晴らしかった

ただ、いかんせん3時間超える作品でテンポが悠長すぎるのが個人的にはかなりきつく、正直キューブリックのフィルモグラフィ中では過去1ノレなかったかな…
とはいえ決闘シーンの緊張感は凄かった

〈 Rotten Tomatoes 🍅91% 🍿92% 〉
〈 IMDb 8.1 / Metascore 89 / Letterboxd 4.3 〉

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