滝和也

ある戦慄の滝和也のレビュー・感想・評価

ある戦慄(1967年製作の映画)
3.9
トラウマ系映画3本目…。

かなり昔、サスペンス映画のベスト150にランクインしており、ずっと見たかった作品。ヤバそうだなとは思っていたのですが、その通りの作品。

扉が壊された電車の車両内で起こる密室劇であり、人間の化けの皮を剥がそうとする恐怖のサスペンス・スリラーです。この作品、劇中時間と上映時間がほぼ同じかな…。たったそれだけの時間でこれだけ人の内面をえぐってくるとは…。脚本が素晴らしいのは勿論のことトニー・ムサンテを始め、演者が凄いとしかいいようがない。

ニューヨークの電車には色んな方たちが乗ってくる。白人・黒人、夫婦・恋人達、友人同士、ノーマル・ゲイ…。そして無法者、酔っ払ったチンピラ二人組。彼らは同乗した人々を恐怖のドン底に叩き込む…。

上手いのは登場人物たちが電車に乗り込む前の数分で彼らの状況、表の顔がきちんと語られること。それによって、より剥き出しになる人間の本質が浮き彫りになっています。

で…、ありそうな状況ですよね。冒頭でヤバそうと思ったのは、似た状況をくらったことがあるから!怖かったですよ〜。中学の修学旅行で京都に行き、高校生にバス内で絡まれましたから…。

迫る関西弁。後ろからチャランボ(膝蹴り)の嵐。初恋の同級生を守るため、耐える和也!顔はやめな!ボディにしな!と言う三原じゅんこの声。これは嘘…。でも誰も助けてくれないもんです。みんなで逃げました。関西怖いと思いました…。

追記 ちなみに関西の方、なんのトラウマもございません。数年後、遊びにいってますし。剣道やってましたから痛みには強く、なんてことはなく、その日も楽しく過ごし、今は笑い話です。
滝和也

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