「ある戦慄」に投稿された感想・レビュー

NAOKO
NAOKOの感想・レビュー
1時間
4.4
地獄の帰り道、阿鼻叫喚の車両。
個人的には、あまり前知識を入れないで観てほしいです。
「列車の一両に、たまたま乗り合わせた人々が目撃する”ある戦慄”ーーー」このくらいの情報で良いかと。


(…と言いつつも書きます)
100分前後の尺の中で最初の50分くらいは、ただひたすら登場人物達の紹介に費やされてゆく。
この人達はどういう性格なのか、どういう関係なのか、どこへ行ってきた帰りなのか…。最近の映画の感覚からすると、ちょっと長過ぎて退屈…と感じるくらい丁寧に描いてゆく。

…が、彼等が全員電車に乗り合わせた途端、ジェットコースター並みの地獄の展開に!
そしてその地獄の中で、前半の長過ぎる登場人物紹介がこれでもか!と活きてくる。
更に迫力のあるカメラワークと、俳優陣の力演が合わさって、めちゃくちゃ濃い密室劇に仕上がってゆく。

目を覆いたくなるのに、見入ってしまうとは正にこの事。
半世紀も前の公開作とは思えない、ものすごい作品でした。
matsuitter
matsuitterの感想・レビュー
6日
2.6
背景の異なる登場人物10人以上が同じ電車の車両で暴漢に出くわすシチュエーションスリラー。特殊な状況における人間の側面を描いた世にも奇妙な物語ともとれる。

冒頭の10分。暴漢2人の無軌道さがシンプルに伝わってくる。OPのタイトル表示と音楽がカッコいい。

すいません、冒頭以降は全然ダメでした。

以下ネタバレでその理由。

見せ場は中盤から始まる車両のシーンと思う。誰かに絡んで暴走する暴漢2人と、それを傍観する乗客たちをじっくりと描写していく。

でもこれが地味だったんよね。。同じシチュエーションで45分も続く。正直パッと思いつくあらすじ以上のことは何も起きなかった。この長さ半分で充分です。この間は楽しんでみることもできず。暴漢2人が冒頭以上のことは一切しないのも不満。物語が動き出すのが最後の最後まで引っ張りすぎ。

監督の意図としては、どんな人間でも同じシチュエーションでは同じ反応ということがやりたかったのかも知れないけど、まあ単調と言うか。。モノクロ映画の弱いところとして色がわかんないので、この状況は深夜でみんな眠くていいかげんになってるっていうのがあんまり伝わってこなかったし、自分もそこの空間のひとりになりえるとは感じなかった。

カメラワークや音楽使いも弱くて集中力を保って観ていることができなかった。

逆にポジティブな部分としては、登場人物が多彩で、各人を短いエピソードで紹介したところ。しかし電車内でその設定が全然活きてない印象。

唯一、教師とその妻の口論は上手いなと思った。プラットフォームで喧嘩しはじめ、電車の中で妻は勢いを増して怒り狂う。実は乗客にも難があるっていう点に物語の厚みを感じた。ただここもそのワンシーンだけで終わってしまった。

余談。

当時のNYって夜2時とか3時でも電車動いてたのって思った。しかも日曜日の夜だし利用客少なそうなのに。すごい便利。
みら
みらの感想・レビュー
2017/03/22
4.0
車内映画
けんた
けんたの感想・レビュー
2017/03/22
5.0
超絶大傑作
ちょーおもしろい!!

ある夜、電車に偶然乗り合わせた人々が、粗暴なチンピラ2人組の嫌がらせに遭う恐怖を描いた密室劇作品。

リアルな不快感を赤裸々に映し出している作品で、そこに現代人の脆さや人種差別などの問題を取り入れている。

50年経った今でも現状はさほど変わってない。寧ろ現代人の脆さや人情のなさにおいては斜め下りの状態なのでは?
あさいろ
あさいろの感想・レビュー
2017/03/21
3.0
TSUTAYAの棚を眺めていてタイトルで気になって、ここの評判も良かったので見ることに。

面白かったか、と言われるとそこまででもないけれど、エネルギーのある作品だった
昔の映画ってこういうの多い

様々な立場の人が密室に閉じ込められ、チンピラの暴力にただただ恐れおののくイライラ映画
何か出来ることがある?って悪いけど出来ることがあるとは思えなかった

人は普段理不尽に暴力は振るわれないという暗黙の合意の下に生きているし、その外で生きている人種には圧倒的に無力であることを思い知らされる
何か出来るのは結局意志の強い人ではなく、アウトローに生きる覚悟のある力の強い人でしかない
ベチィ
ベチィの感想・レビュー
2017/02/25
4.0
日曜深夜の都会の地下鉄、自身の人生に対し、様々な不満や不安や葛藤を抱えた人々が偶然に乗り合わせる。
それはどこにでもある日常の風景だろう。
そこに、単純な「粗暴」という言葉ではおさまらない、気が違っているとしか言いようがないチンピラ二人組が乗り込み、乗客たちそれぞれに傍若無人な行為を繰り返していく。
その行為は、「暴力」という範疇までには及ばないけれど、あまりに悪辣で乗客たちを精神的に追い込む。

最初のうちは、チンピラたちの蛮行そのものに対して憤りを感じ、気分が悪くなる。
しかし、次第に気分の悪さの対象が遷移し始める。
チンピラたちの行為に被害を被る乗客たちの生々しい人間性が露になり、気を滅入らせてくる。

この映画は1960年代のニューヨークを舞台にしているが、この地下鉄の一車両で描かれているものは、どの時代のどの国のどの街でも存在し得るであろう人間同士の″歪み″である。
その場に居合わせているのがごく普通の人間だからこそ、少しずつ表面化していく″戦慄″があまりにおぞましい。


「どこにいたんだ?」

退役後の大層な野心を述べていたにも関わらず、地下鉄車内に突如発生した「出来事(incident)」に対して結局何もしなかった同僚に対して、チンピラに唯一立ち向かった田舎者の軍人が、虫の息でぽつりと言う。

他の乗客たちは、すべてが解決した後も死人のように呆然と押し黙ったまま、とぼとぼと地下鉄を降りていく。
″戦慄″とは、突然現れた悪魔のようなチンピラたちなどではなく、彼らによって浮かび上がらされたすべての人間に巣食う屈折した心理そのものであること知らしめ、彼らと同様に自分自身があの車両に同席していたならと考えると、絶妙な後味の悪さに襲われる。


とても胸糞が悪くなる映画だった。

その胸糞の悪さは、そのまま自分を含めこの映画を観ているすべての人間たちが内包している要素であり、そのことが殊更に胸糞悪さを助長する。
観ているままに居心地の悪さを終始感じ続けなければならない映画だが、それは人間の″澱み″や″歪み″を如実に表している証明であろう。
故に傑作であることは間違いない。
こうちむ
こうちむの感想・レビュー
2017/02/23
-
DQN恐え〜って映画
もうどうしようもないやんっていう
白黒の感じとかタイトルの出し方とかお洒落
密室だけどアングルぐるぐるして飽きない
陽気な人間
陽気な人間の感想・レビュー
2017/02/01
4.3
電車の中で酔っぱらいが暴れたり、調子に乗った不良グループが他の客に絡んだりする姿を目にしたことは誰しも経験があると思うが、こういう状況に居合わせると、もうそれだけで心が腐るような気分になる。『ある戦慄』では、そんな状況であらわになる人間のネガティヴな表情や無力感、敗北感、不甲斐なさ、失望、増長、怒り、無関心などが、容赦なく映し出される。

俳優たちの演技がまたリアルで生々しい。
額をしたたる汗や、緊張で強張る筋肉の動きなど細かいしぐさや表情、台詞まで、人間の反応を実によく観察していて動物学的でさえある。

狭い車内で2人の男が対決するクライマックスの緊張感とカタルシスも凄いのだが、決着がついた後、警官が車両に駆け込んでくるところで、さらにもうひとつダメ押しがある。これが凄い。そして、自ら血を流してまで暴虐に立ち向かった者に対して、誰も感謝の一言すら発さない。それが現実なのだ。
GASS
GASSの感想・レビュー
2017/01/31
4.0
素晴らしい。

人は誰もが自分が一番大事。
嫌な思いをするぐらいなら他人の痛みなんて見て見ぬ振り。
そんな人の醜さ・弱さを恐ろしいほどのリアリズムと演出で描いたワンシチュエーションサスペンスの傑作です。

偶然1つの車両に乗り合わせた面々。
幼い娘を連れた夫婦。
ゲイの青年。
アル中が原因で妻に逃げられた中年男。
若いカップル
休暇中の軍人2人。
差別を憎み、白人に敵意むき出しの黒人夫婦。
そんな濃いキャラクターの面々が偶然乗り合わせた車両に、強盗をしたばかりのチンピラ2名が乗り込んできたことにより、乗客が味わう覚めることの無い一夜の悪夢。

俗に言う胸糞映画だと思われますが、それだけでは無い魅力が詰まった作品です。
この映画を観ている人は、誰もが必ず同じことを思い浮かべるのではないでしょうか。

もしも、自分がこの列車の乗客だったらどうするだろうと。

実際に似たようなシチュエーションを経験したことがある人もいるでしょう。
強い心を持っている方もいるでしょうが、私のような弱い人間は間違いなく下を向いて見て見ぬ振りをするのではないか。
そんな自分に嫌悪感を抱いてしまう恐怖を孕んだ作品です。

全てが終わったと思われたラスト、最後にこの監督のセンスを感じさせるもう一つの嫌悪感を抱かせるシーンが皮肉たっぷりに演じられます。
無言で列車を降りていく乗客を見て、私も終始無言になってしまいました。
えぬだ
えぬだの感想・レビュー
2017/01/29
4.0
タクシーに乗るか電車に乗るかで揉めてる家族、別居している男、離婚しそうな夫婦、白人嫌いの黒人、ゲイ、兵士、カップル、若者に嫌悪感を抱く老人と妻、色々問題抱えた人たちが同じ車両に乗ってくる。
ついさっき強盗殺人を犯してきたチンピラ二人組も電車に乗ってきて電車内で好き放題暴れ回る。
前半部分は電車に乗る人々の事情がひたすら描かれていて後半部分から密室劇が始まり面白くなる。
暴れる二人組に注意する人は結局二人のチンピラに弱みをつけ込まれて結局言い負かされる。暴れ狂う二人。降りようとしてもチンピラ二人組に支配されていて降りれない乗客。

いくら被害者側が人数で優勢でも勇敢に暴れ回る注意できる人の方がマイノリティだと思う。おそらく自分もそうだし何も言えない。
ラストは虚しい。

地下鉄が怖くなった。
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