「ある戦慄」に投稿された感想・評価

胸糞映画の隠れ良作かもしれない。
善人と悪人は紙一重。
人間そんなに違いないのだ。

しかし主人公の演技が凄すぎる!
鳥肌モノ。
面白い!有名じゃないのが不思議。
ニューシネマより前?にこんな映画があったのね。
密室となった一両が社会の縮図となり、チンピラ二人がえぐりだす。

まず、深夜のニューヨークがいい。ひたすらに暗く、陰惨な空気感。最低限の光で照らされた人々が露にする、人間の小ささを見せるにはもってこい。


それぞれの事情を抱えて乗り込む乗客たちと 自由気ままなチンピラ野郎二人組。

チンピラどもは片っ端から絡んでいくのだが、もうただただウザい。関わりたくない。消えてほしい。降りろ。降りたい。こっちに来るな。……。

観ていて ふとこう思っている自分に気付く。


映画でも乗客のほとんどが見て見ぬふりをして、中には高みの見物でもしようじゃねぇかと思う人も。
面倒くさいことには関わりたくない。

他人のために一声上げても追い詰められれば諦める。
助けを求めるも、誰も答えない。
自分の親友が助けを求めていても自分が大事。
いくら威勢が良くても妻が捕らわれれば、泣き出す始末。
彼女が絡まれても何もできない。
妻が声を上げても、関わりたくないから夫はなだめる。
夫婦喧嘩になる人。
降りようとしても、目立つことは嫌。

人間の弱さ、不甲斐なさ、無力さ…
暴力的に写し出される電車の中はただただ居心地が悪い。


そしてラスト、一人の青年が立ち上がる。
快哉を叫ぶでもなく、突然の暴力に驚きを隠せない表情をする乗客。なんとも形容し難い雰囲気が漂う。この反応。すごくリアルだと思う。ヒーロー映画ではなかった。

最後まで眠っている爺さんが何とも象徴的。常に目を瞑り、あらゆる問題に無関心で(装うのではなく)あることが一番幸せなのか。


50年前の映画だが、人は変わっていない。


どうでもいいけど、つり革が気になった。

このレビューはネタバレを含みます

(うわー、面倒な奴らが乗って来たなー。
注意したら厄介なことになりそうやし、
車両変えるか、
アイツら降りるまで我慢するか。)

こんなテーマで名作になるのだから
本当に映画は分からない。

この話は現代にも通じるところあり、
誰しも見聞きしたことのあるマナー問題。

時代背景もさることながら
真夜中の列車における出来事であること、
車掌や警官が周りにいないこと、
格差問題、人種差別、同性愛など
みな突かれたくない問題を
乗客それぞれ抱えているということなど、
設定の妙、
物語を悪い方へ導く要素となっている。

最後に殺めてしまうことは、
やはりエンターテイメントらしい結末だが
自分ならどうするか。

本当の悪は、
ウザい絡みをするチンピラでなく
他人の窮状に見て見ぬ振りする乗客である、
という月並みなコメントで
本レビューを閉めます。

不快指数のどんどん上がる、
ただただ胸糞悪い、
それでいて最高の映画。
Ψ(`∀´)Ψケケケ戦慄あるある!ワオ!
トラウマ系映画3本目…。

かなり昔、サスペンス映画のベスト150にランクインしており、ずっと見たかった作品。ヤバそうだなとは思っていたのですが、その通りの作品。

扉が壊された電車の車両内で起こる密室劇であり、人間の化けの皮を剥がそうとする恐怖のサスペンス・スリラーです。この作品、劇中時間と上映時間がほぼ同じかな…。たったそれだけの時間でこれだけ人の内面をえぐってくるとは…。脚本が素晴らしいのは勿論のことトニー・ムサンテを始め、演者が凄いとしかいいようがない。

ニューヨークの電車には色んな方たちが乗ってくる。白人・黒人、夫婦・恋人達、友人同士、ノーマル・ゲイ…。そして無法者、酔っ払ったチンピラ二人組。彼らは同乗した人々を恐怖のドン底に叩き込む…。

上手いのは登場人物たちが電車に乗り込む前の数分で彼らの状況、表の顔がきちんと語られること。それによって、より剥き出しになる人間の本質が浮き彫りになっています。

で…、ありそうな状況ですよね。冒頭でヤバそうと思ったのは、似た状況をくらったことがあるから!怖かったですよ〜。中学の修学旅行で京都に行き、高校生にバス内で絡まれましたから…。

迫る関西弁。後ろからチャランボ(膝蹴り)の嵐。初恋の同級生を守るため、耐える和也!顔はやめな!ボディにしな!と言う三原じゅんこの声。これは嘘…。でも誰も助けてくれないもんです。みんなで逃げました。関西怖いと思いました…。

追記 ちなみに関西の方、なんのトラウマもございません。数年後、遊びにいってますし。剣道やってましたから痛みには強く、なんてことはなく、その日も楽しく過ごし、今は笑い話です。
乗客の人物紹介に半分くらい時間を使う、'60年代らしい?余裕ある構成。でもこれはやられる側の人物の挿話を練らないと、こう面白くならないだろう。男二人組の造形はファニー・ゲームに似てるかもしれない。人が動揺し恐れおののく様を見るのが彼らの専らの動機。会話が成立しない。密室サスペンス。鉄道車両内の狭い空間を上手く使っている。ズームをピンポイントで使うのが良かった。悪趣味な顔アップに、下品な笑い方。白黒で夜の撮影が良い。
何だかんだで一番好きなのはオープニングシーンか。

「どこにいたんだ?」
社会の縮図そのもののようでした

笑い声をあんなに不愉快に演じられるのはすごい
深夜の地下鉄車内で唐突に我が身に降りかかる理不尽な暴力。
泥酔したチンピラ二人が
乗客達に次々絡み、その人間性を暴いては萎縮させてしまう
なんとも後味悪く、胸糞悪い内容。
見て見ぬ振りしても逃げられない。
屈辱的な振る舞いに自分の無力さを思い知らされる。
毅然と立ち向かった者に向けられるのは冷たい視線であり
感謝の言葉すらない。
誰しも身に覚えのある戦慄、その状況での小市民達のリアルな表情。
くそったれ、居心地の悪さが嫌でもわかっちまう。
とばっちりを嫌う「見て見ぬ振り」もまた理不尽な暴力なのだ。
ボー・ブリッジスのラストでの一言が全てを物語る。

どこにいたんだ?

傍観者でいるなよ、と声高らかに批判したくとも
明日に我が身に同じ災難が降りかかったとして果たして...。
密室劇としても隠れた名作。

マーティン・シーンの不愉快なチンピラっぷりは
不肖の息子に受け継がれているなぁ...(^^;;
狂ったチンピラと絡まれたくない人達という構図は今でもありそうだけど、これは居合わせたら地獄だな笑
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