ベルサイユ製麺

暗黒街のベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

暗黒街(2015年製作の映画)
4.4
言葉も無い…。
で、レビューを終わりにしたい気分です。
AIが自動生成したようなタイトルやジャケに惑わされてはいけません。流行りのチャカチャカしたギャングアクションでも、虚仮威しの怖い顔合戦でも無い。禍々しくも腐臭を放つ絶対的なシステムを、ただ見つめる事しかできない130分。

冒頭から、誰が主人公なのかも分からぬまま次々と展開される異なるシークエンス。共通して描かれるのは平穏・安定の崩壊の予兆。甘美な余韻だけを拡張したような劇伴に誘われ、各シチュエーションを繋げる補助線を引き終わる頃には、既に巨大な歯車の噛み合うシステムの内側に。更に、このシステムが載っている台座は、実は既に…。

生々しい演技と、それを切り取るショットのリアリティ。背筋の凍る見事なカメラワーク。湿度も瘴気もありありと伝える演出。剃刀一枚通らない、完璧に噛み合った構成。その他、全ての要素が絡み合って立ち現れるのは、宛ら一体の巨大な怪物のようなイタリアの暗部。

…そもそもなんで観てみようと思ったかというとですね、ステファノ・ソッリマ監督(今作でデビュー‼︎)が、なんと傑作『ボーダーランド』の続編の監督に起用されたと聞きまして。傑作の続編×無名の新監督、となると不安感がグングン膨らむ昨今。まぁ、軽いショックアブソーバーのつもりで鑑賞してみたわけですが、もう心配は完全に杞憂でした!『悪の法則』お好きな方なら大好物なのではないでしょうか?完全無欠のブルータル大傑作『ボーダーランド2』の誕生が楽しみでなりませぬ!
因みにドクロメーターは1.5ドクロ位です。

はぁー、なんか書きにくかったー。(ふざけられなかったー)