ベイビー

オールド・ジョイのベイビーのレビュー・感想・評価

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)
3.9
old joy:旧歓

旧歓とは、久しく絶えていた人との昔の楽しみや、友情を元のようにする行為のことらしく、この作品はこの言葉そのもの。

作品の内容は、身重な妻を持つマークが久しぶりに旧友カートに誘われ、ポートランドの奥地にある温泉場へ行く、ただそれだけのお話。それだけにもかかわらず、やはりこれまで観てきたケリー・ライカート監督作品同様、作品を観終わった後も物語の残像がいつまでたっても脳裏から離れません。

たった73分のお話なのに、二人の関係性がつぶさに描かれており、旧歓を暖めるはずのカートの空回りが痛々しく感じられました(詳しい感想はコメント欄に)。

相変わらず地味な題材を持ち出してくるケリー・ライカート監督。まずはそのセンスに敬礼。インディーズという枠を飛び越え、これほど質の高い作品を作ってくださったことに心から敬意を表したいと思います。

それと、二人の旅にお供したルーシーは「ウェンディ&ルーシー」より先にこの作品に出ていたのですね。少し調べてみたら、このルーシーって監督が飼われているワンちゃんなんですって。ずっと尻尾フリフリして可愛いですね。
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