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彼らが本気で編むときは、のkoyaのレビュー・感想・評価

彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)
4.0
荻上監督は、6年間カルフォルニア大学で映画を学んだ方ですが、何かのトークで、
「アメリカの映画の学生なんて、もう、大監督きどりの奴が多くて、日本の女の学生なんて全く相手にされなくて、ともだちなんて出来なかったけれど、唯一、声をかけてくれて親しくしてくれたのはゲイの男の子だけだった」と話していました。

そんな荻上監督の最新作は、今までのちょっとユーモラスな、ゆるい感じをなくした社会派ドラマだと私は思います。
性同一障害を真正面から描いて、男だから、女だから、に疑問を投げかけています。

リンコ(生田 斗真)は、性同一障害で、主人公の小学生の女の子、トモの叔父(桐谷健太)のパートナー。
料理が上手くて、きれい好きで、世話焼きで、世間の冷たい目に耐えていて・・・って悪い所がひとつもないのですが、「男に都合の良い古いタイプの理想の女性像」かな?とも思えます。

ただ、リンコだけでなく、色々な女性たちが描かれますから、そちらの方が興味深いです。
弟のパートナーが性同一障害だった、自分の子供の同級生の親が・・・とか実際、自分の身近にいるとなると、こうなるだろうな・・・とまだまだ壁はたくさんある、という事を考えます。

どれもこれも、上手くいく、という訳ではなく、説明もしない部分がありますが、それだけにお手軽なハッピーエンド映画にはなっていません。

個人的には、ちょっとしか出ませんが門脇麦が本当にこういう女の人、いそうで面白かったですね。
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