ミア

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツのミアのレビュー・感想・評価

3.7
ジョージ・リッツァという社会学者が作り出した用語に「マクドナルド化」というものがある。
マクドナルドがもつ生産・提供システムが世界中に拡大する状況を表し、グローバリゼーションと併せて論じられることが多い。

マクドナルド化の特徴は効率性、計算可能性、予測可能性、制御である。
本作では、効率性(マクドナルド兄弟が考案した分業システム)と予測可能性(レイが閃いた、裁判所や教会のように、どこに行っても存在し同じサービスを提供してくれるというアイデア)が主にマクドナルドの特徴としてフォーカスされている。

1954年のアメリカは大量生産大量消費の只中にあった。
フォード社はベルトコンベア方式による分業システムを開発し、T型フォードを大量生産するのと同時に、自社の従業員の給与をフォードが買えるほどの額まで上げた。
フォードの成功を受けてこの分業システムが1950年代に拡大したことから、アメリカの大量消費文化は始まったとされる。
マクドナルド兄弟が発明したシステムも、時代の流れの中で必然的に生まれたものだったのだろう。

本作を観る限り、レイの功績は「マクドナルド」というブランドネームと、黄色いアーチというシンボルを見出したことにある。商標権を持ち、商標を活かして商売することの重要性に気づいていたのだ。

レイは「同じバーガーでもクロックという店からは買わないだろう」と言う。
このセリフからは、各消費物の微妙な差異(同じ品物でもどこのブランドから買うか、など)を特徴とするポストフォーディズムの兆しもうかがえ、マクドナルドがフォーディズムとポストフォーディズムを橋渡しする役割を果たしていたのではないか、などと考えたりすることもできる。

経済成長する社会の中ではビジネスチャンスがそこかしこに転がっており、誰もがアメリカンドリームを掴む可能性を持っている。
そこで手を伸ばした者だけが成功するわけだが、その成功の先に何が待っているのか考える上で、現在まで世界中の多くの人に消費され続けるマクドナルドはとても適切な対象かもしれない。