タスマニア

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツのタスマニアのレビュー・感想・評価

3.5
2019年220本目。

面白い。
前半と後半で違う面白さとワクワクがあり、実話なのにどんな風に展開していくかが予想できなくて面白かった。

レイとマクドナルド兄弟が運命の出会いを果たす序盤。
彼らが如何にしてシステムを作り上げたかを語るシーン。
マックが楽しげに語れば語るほど、後半のことを思うと悲しい。
でも、あの冒頭の数十分は「イノベーション」そのものが映像化されたような、ワクワクが止まらない、素晴らしいシーンだった。
特にテニスコートに図面を引くシーンは痺れる。自分でビジネスを始めようと思う野心家の若者には見せたい。

ただ、この映画はこの「イノベーション」を超える「野心」と「執念」が主題なのだと気付かされる。
清々しいほどに報われない悲しき人たちが増えていく。
それを美談にするわけでもなく、彼がただ成功をするために必要なことをして、欲しいものを思い通りに手に入れていく様を描く。

大きなビジネスの前で優しさや思いやりが無力であることを思い知らされる。特にラストの淡々とその後の事実を字幕ベースで流すシーンは思わず笑ってしまった。

すごいぞ、レイ。
自分は絶対にそんな風にはなれないので、共感はできない。
けど一方で、悲しいけど何か理解してしまった気がする。
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