きよぼん

疾風ロンドのきよぼんのレビュー・感想・評価

疾風ロンド(2016年製作の映画)
3.2
主演の阿部寛といえば、高身長で元モデル。

キレ者刑事を演じた「麒麟の翼」、狂気の天才登山家の「エヴェレスト」など、カッコイイ二枚目役がよく似合う。だけど自分はろくでもない探偵役の「海よりもまだ深く」、プライドが高く人間づきあいがヘタな建築家に扮したドラマ「結婚できない男」など、三枚目の彼のほうが好きだ。あの長身を折り曲げながら小さなウソをついてニヤニヤしてる姿がどーにも滑稽でいいんですよ。

そんな「情けない阿部寛」を観るために行ってきました、今回の「疾風ロンド」。スキー場にかくされた殺人ウイルスを、研究所の職員という立場上見つけなきゃいけないハメになった阿部寛演じる栗林。全編にわたってその愛すべき姿を堪能できます。自分が観た回は阿部寛ファンなのか、おばちゃんが多く、そんなおばちゃんたちがどっかんどっかん笑ってました。「情けない阿部寛」ファン満足の映画です。

しかし正直なところ、全体的に物足りない感じがするのも事実です。展開、謎解き、笑い、全てが薄味で映画を見慣れてる人はイマイチ感を持つことになるでしょう。でも満足そうに劇場出るおばちゃんたち観てるとね、このわかりやすさがいいのかもしれません。当たり前だけど映画は映画マニアだけのものじゃないだな、なんてことを考えたりした作品でした。
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