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ウインド・リバーのmakoのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.1
《2018#262》
やっとこちらで上映されたので昨日鑑賞しました。 

厳寒の大自然に囲まれたアメリカ中西部ワイオミング州にあるネイティブアメリカンの保留地ウインド•リバーが舞台。 
地元のハンターのコリー•ランバート(ジェレミー・レナー)が凍死した少女の遺体を発見する。 
その少女は娘の友達ナタリーで親も懇意の間柄だった。-30℃の極寒なのに薄着でしかも裸足。事件性があるためFBIに要請すると新人捜査官のジェーン(エリザベス•オルセン)が派遣された。 

少女は何故極寒の中、薄着でしかも裸足だったのか。
少女に何があったのか。 

見知らぬ土地での捜査は難航し、ウインド•リバーに詳しいコリー•ランバートに捜査協力をお願いする。 
徐々に明らかになる事件の真相に、同じ女性として恐怖と憤りが込み上げてきました。 
少女には夢もあり愛する男性との未来もあったのに。
事件の全容が描写されるシーンは辛かったです。 
そして娘を亡くした両親の姿に胸が痛くなりしました。 

ラスト、ネイティブアメリカンの現状が文章で知らされました。 
アメリカは黒人差別だけではなく、ネイティブアメリカンの差別も今尚あるんですね。知りませんでした。
犯人の一人がウインド•リバーの事を雪と静寂しかなく、楽しみがないみたいな事を言うけど、ネイティブアメリカンだって好きでここに住んでいる訳ではない。 
アメリカにここへ追いやられ、ここに住むしか他なかった。アメリカの闇はこんな所にもあったんですね。観ていて悲しくなりました。 

ハンター役のジェレミー・レナーの演技が良かった。
寡黙ながらも内に秘めた想いは温かく、犯人を追い詰める姿は勇敢で、終盤犯人とのやり取りは冷静ながらもナタリーの事を想いやるせない気持ちになる様を上手く演じていたと思います。 
FBI捜査官役のエリザベス•オルセンも良かった。 
最初はちゃんと捜査できるのかと思いながら観てましたが段々と逞しくなっていく様を上手く演じていました。 

観ごたえある映画でした。 


字幕翻訳 柏野文映 
劇場鑑賞 #129/2018
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