エミさん

ロスト・バケーションのエミさんのレビュー・感想・評価

ロスト・バケーション(2016年製作の映画)
3.9
コロナなので、自宅で勝手にサメ映画祭を開催 その5

ほぼ、ブレイク・ライブリーのシーン。
これは秀逸だと思いました。いかにも起こりそうな設定で自然体。数あるサメ映画の中でも、主人公の単独行動で、医療知識もあるっていうのは特徴的でポイントが高いです。

テキサスに住む医学生の主人公は、救えなかった母の死から立ち直れず挫折しかけていた。母の思い出の場所であるメキシコのビーチで感傷に浸りながらも、趣味であるサーフィンに熱中しているうちにサメが来てあわや…という話。
もう、サメ映画の聖地と言えばメキシコです。

主人公がビーチに行くと、若い男性サーファー2人との絡みがありますが、この2人が作品の大きなポイントです。1人はヘルメットを被り、そこに伏線としか思えないカメラを付けておる。普通はそんなサーファー居ませんよw。何ともナンパな怪しい奴らなのですが、のちにチョイチョイ存在感を放ってくるんですよ!
主人公にも、「サメ注意」って言ってくれます。有難う。でも忠告というのは無視されるもの。主人公は時々、太陽の位置や陸地を気にしながらも現実逃避を続けてしまうのです。

でも主人公はとても賢くて、サメの動きや潮の時間を計算したりして闘いに挑みます。

大概、格闘の末、流血して更にサメが寄ってくるというのは、サメ映画のお約束ですが、主人公はそれを阻止するために、驚くべき行動に出ます。医療知識があるからこその窮地において身を斬る行動です。思わず絶句です。

サメの動きや行動パターンも自然なので、自然の法則を乱すと、ヒエラルキーが逆転して、人間は偉そうにしているけど、決して動物の頂点ではないのだという自然の脅威が感じられて、見終わった後は心の底から終焉のため息をつきました。

力が付くと、もっと挑戦したいという思いが湧いてきますが、リスクを知って押し引きの加減ができるようになることが本当の意味での上達なんでしょうねぇ…。
主人公もほどほどにしておけばサメが来る前に陸に上がれたのでしょうが…。やはり生き物どおしは、不必要な接触は避けて地球で共存していくのがいいんだろうなぁと思いました。
ソーシャルディスタンス。お後がよろしいようで…。