エミさん

海底47mのエミさんのレビュー・感想・評価

海底47m(2017年製作の映画)
3.8
コロナなので、自宅で勝手にサメ映画祭を開催 その3

これも、展開が複雑で面白かった〜。
休暇でメキシコにやってきた若い姉妹(&妹彼氏)が、ホテルで仲良くなった男性の誘いで『シャーク ケージ ダイビング』なるアクティビティに誘われて、ダイビング経験もないのに、妹が失恋の痛手を忘れるために、サメが見たいと姉を説き伏せて参加して、まんまと怖い目に遭うという作品。

『シャーク ケージ ダイビング』
何という恐ろしい響きよ…。そもそも、こういうアクティビティに好奇心を抱く人に恐怖を感じるよ…。
{{(>_<;)}}
妹は社交的でノリの良いタイプ。姉は内気で冷静なタイプ。
典型的真逆の姉妹。そして、だいたいは彼氏との仲に混じって旅行なんて相当な理由が無ければ行かないと思います。
でもこの姉妹は行ってしまうのです。
先にどんな運命が待ち受けているか分からないからです。
運命って自分の選択次第でいくらでも変えられると謳う映画って沢山ありますが、勇気づけられるばかりじゃありません。
バッドな方だってあるんですよ!
そう、それがこの作品!
行った結果、妹は彼氏と別れ、挙げ句、姉妹は命を脅かす恐怖と対峙です。

ボンベと無線を身につけて檻に入って、クレーンで檻を吊って海底へダイブするのだが、アクシデントでワイヤーが故障し、檻はあわや海底へ落下。
サメ、檻、海底47mと、そこは三重苦の世界。
サメとは、そこまで執拗には格闘していないものの、命を脅かす恐怖ってサメだけじゃあないんです。『もし、そうなったらどうなる?』という、誰もが想像する様々な恐怖を体現してくれた映画だったのと、ダイビングの知識も知ることができて「ヘェ~」と惹き込まれるところは興味深いです。

船の船長が、無線で何度もしつこく、こう呼びかけます。

「窒素病で幻覚を見ていないかお互いに確認しろ!」

水上ならサメが来たら全力で逃げますが、海底では水圧との闘いもあるのです。急浮上をすると、窒素が脳に入って脳が酸欠になったり、内蔵が水圧に耐えられず破裂してしまうのです。
サメが来たからといって、全力で上に泳いで行けないのです。

絶望的な状況でも諦めないで打開していこうとするヒロイン姉の精神力には称賛です。ラストシーンは二転して、考えさせられるオチが待っています。大きな犠牲を払うことになりましたが急死に一生を得たことは、浅はかだった自分たちから聡明な大人へと成長した瞬間でもあったのだと思いました。
『命を大切に』と言われても、当たり前に在る時は、どうすれば良いのかなんて考えられないと思います。
こんな怖い思いをしなくとも、命あっての物種だということを示唆してくれているのがこの作品の素晴らしいところです。
無知は恥ずかしいことではありません。
先に知ってるかどうか。ただそれだけなんです。