あーさん

きっと忘れないのあーさんのレビュー・感想・評価

きっと忘れない(1994年製作の映画)
4.0
私の青春時代は80年後半〜90年前半。
大学時代はそれなりに勉強もしたし、アルバイトにも精を出したし、ボランティアもやったし、興味のある講演会にも足を運んだ。
体育会系のサークルにも入ってたし、他にもデートしたり、時間はいくらあっても足りないくらい忙しかった。。

でも、、一生懸命だったわりにあんまり充実してたって実感がないんだなぁ。。
スケジュール帳を真っ黒にすることが目的になってしまっていたというか。
高校時代の部活みたいにそれこそ
真っしぐらな感じではなかった。。
人付き合いがあまり得意ではない私は結構一人で行動することが多かったから、どこかしらには属していてそれなりに色んな出会いはあっても、踏み込んだやり取りがなかった…というか人とぶつかったり意見を交わしたりしてこなかった。
だからあまり深い関係が作れなかったんだと思う。。(なんで音楽とか映画関係のサークルに入らなかったんだろうとつくづく思う…)勿体無かったな、と少し後悔。


さて、
今作はハーバード大学が舞台。
主人公モンティ(ブレンダン・フレイザー)は大学4年生。政治学を専攻する彼は卒論を書くのに余念がない。
モイラ・ケリー、パトリックデンプシー(どこかで見たと思ったら"ブリジット・ジョーンズの日記" でコリン・ファースのライバル役で登場してた!ちょいワル風イケメン)、ジョシュ・ハミルトンは下宿部屋をシェアする同級生。
皆それぞれ卒論には手こずっている。

物語はモンティが書きかけの卒論を大学内で落としてしまうことから始まる。落とした先にはボイラー室があり、ホームレスのサイモン(ジョー・ペシ)が住み着いていたのだった。返してほしければ一枚ずつこちらの欲しいものと交換だ、と言われる。

そこから、本来接点のないはずのハーバード大学の学生とホームレスの交流が始まる。

公開は1994年だから私はもう大学は卒業しているはず。だけど、ついこの間本棚の奥からこの映画のパンフレットが出てきた。…ということは劇場に観に行ってる。パンフレットを買うのは良かった作品の時だけだから、こんな学生時代が送れたら良かったな〜ということだったのかな。

紅一点のコートニー(モイラ・ケリー)とモンティのくっつきそうでくっつかない感じが観ていてもどかしくてじれったい笑
ハーバードだからみんなそこは真面目で良い成績取ることに必死、仲間内でギスギスした会話も。
勉強ができても余りにも自分のことにしか関心のない人は知らず知らずに嫌われていたり…。

モンティだけでなく、仲間達もサイモンと関わるようになり、大学で教わることとはまた違ったことを彼からそれぞれ学んで行くのであった。。

印象に残っているのは、足を怪我をしたことで荷物が持てないモンティの荷物持ちとして彼と一緒に行動することになり、授業に紛れ込んでいたサイモンが教授に当てられ、"合衆国憲法の核心"について述べるシーン。
素晴らしい答えに教室中が拍手喝采になる。

モンティの卒論のテーマは「政府=government」だったが、サイモンと接するうちに、保守的な教授には評価されていたが本当にそれで良いのか?と自分の書いている内容に疑問を持つようになる。サイモンがモンティに問いかけた
"何でも鵜呑みにするな、必ず自分のフィルターにかけろ"という言葉は、一生の宝物になっただろう。

そして、造船所で働いていた時にアスベストを吸い込んで胸を患っていたサイモンの病状がどんどん悪くなっていく。
サイモンの最後の願いを聞き入れたモンティ達は、その願いをなんとか叶えようと奔走するのだが…。
皆でサイモンを囲んでホイットマンの詩を朗読するところ、そしてサイモンの最期を見届け、自分達の道を見つけて自信を持って進んで行く彼らの姿に、これこそが学生のあるべき姿なのではないか…と涙が止まらなかった。。

サイモンと過ごしたかけがえのない日々は、大学の中だけでは学べない大切なことを彼らに教えてくれた。

どこで学ぶか、も大事だけれど
何を学ぶか、もそれ以上に大事だと思う。





**頭の中が "グレイテスト・ショーマン"一色になってしまったので、なかなか書けずにいたレビュー、やっと書けました。。
"グレイテスト…"2回目鑑賞の感想も追記したので、ご興味のある方は読んでみて下さい。
納得できなかった方へ思いを込めて書きました。。




追記

レビューの最後の方、かなりきつい言葉で書いてしまったので、一部修正しました。
事情があって大学生活を諦めた方
がいらっしゃることを忘れて、遊んでばかりの上の息子に対しての思いもあり、上から目線で書いてしまいました。
言葉の重みを感じています。。
不特定多数の方に読まれることをもう少し考えるべきだったかな、と。
顔が見えないやり取りに、少し限界を感じるこの頃です。。
あーさん

あーさん