幸村

ブレードランナー 2049の幸村のレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
3.9
1982年に公開された『ブレードランナー』は、公開当初はパッとせず、カルト映画的な人気だったらしいが、今やSF映画の代表作として広く知られている(と思う)。その『ブレードランナー』は2019年を舞台にしていたが、今作はタイトル通りその30年後、2049年を舞台にした前作の続編だ。前作のキャラクターがバンバン話に絡んでくるので、見ていない人には前作を見てからの鑑賞をおススメします。
一言感想としては、派手さはないものの理想的な続編だったのではないでしょうか!

正直、見た直後は「まあこんなもんか」的な感じでそんなに評価が高くなかったんですよね。というのは、まあビジュアルは確かに素晴らしいんですけど、1作目の未来のロサンゼルスを見た時のような圧倒的な衝撃みたいのはなかったし(個人的にはあの謎の飛行船が消えていたのが残念!)、最期が凄まじいロイ・バッティみたいな強烈な印象を残すキャラもいなかったので。

ただ、よくよく考えてみると、今作は前作の人間とレプリカントの違いというテーマついてより深く掘り下げて作られていて、前作ではレプリカントと人間の違いとしてはっきりと、記憶の有無というものがあったけど、今作のレプリカントは記憶を植え付けられているから、そういう意味ではもう人間との違いはないんですよね。
だからこそ、レプリカントであっても自分の存在意義を求めるし、特に印象に残ったのが「誰もが自分は特別だと思うからこそ頑張れる」っていうセリフで、これには、確かに表に出すかどうかは別として心のどこかでそう思ってなきゃ世の中やっていけないよなーと非常に共感しました。
自分が何ら特別な存在ではないと知った主人公が、それでも最も人間らしい行動をとるという展開も非常に良かったです。

今年公開された同監督作品の『メッセージ』もそうだけど、一見地味ながらも後からじわじわ来る良作なので、ブレードランナー未経験者の君も、前作を見てから劇場に行こう(最後に全く関係ない話をするけどニンジャスレイヤーは知ってるけどブレードランナーは見たことがないっていう人は映画を見るともろネオサイタマなのでびっくりすると思う)!
幸村

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