群青

ブレードランナー 2049の群青のレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
4.0
2017年劇場鑑賞作品46作目。
字幕で。


やっと去年映画館で観た作品を全部レビューできました笑 すげえ今更です笑 これが最後です。あー最後ってレビューがね。最後に観たのは最後のジェダイです(最後のゲシュタルト崩壊)
なんで最後かって途中どころかどこで寝たか分からないくらい点々と寝ちゃったし、他のバージョンを観てなかったからである。あと順番に並べたかった(結局コレ)


SF映画の金字塔として燦然と輝くブレードランナー。AKIRAや攻殻機動隊への影響は言うに及ばず、描かれる未来像はブレードランナーの以前と以後で区別できるほどである。そしてファンの目は30年の時を経て肥えに肥まくった。

そんな作品の続編を作るなんて頭がおかしいんじゃないかと監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ本人が言ってるんだけど、頑張って作っちゃいました!結果、前作と同じく興行収入的には爆死だけど批評的には全然良かったんじゃないかな?


前作ブレードランナーは人間の境界線を描いたと思う。
冷徹な人間はマシーンなのか?
心が芽生えたレプリカントは人間なのか?
何をもって人間と言えるのだろうか?
そんな深いテーマをアジアフューチャリズムとフィルムノワールで描いた。

今作はフィルムノワールっぽさは残しつつ、前作とは対照的な遠くまで見果たせる背景にして、人間にぃなりた〜い(古い)と願うレプリカントを描いたピノキオ映画となっている。
ピノキオが似てるだからそりゃもうかなり普遍的なテーマだと思う。
前作で人気だったのがレプリカントのロイな訳で、それを今回はさらにそのレプリカントを主人公にしてる。そりゃ感情移入しないわけがない。それほどに主人公のKが魅力的だった。
ライアン・ゴズリングの黙ったまま想いを秘める顔がもう切なくてたまらない。ついでに吹替の加瀬康之さんも最高。

人間ならざるものが人間になりたい、という構造はレプリカントのKだけでなく、彼の持ってるブレードランナー型herであるジョイもそうである。
彼女もKの想いに報いたいが所詮は機械。なれないもの同士というのがまた…

ジャレット・レト扮するウォレスというのも良かったけどちょっと仰々しい。
彼の俳優魂は相当のもんだとわかるが、スーサイド・スクワッドのジョーカーといい、コレといい熱が入りすぎて逆に芝居っぽく見えてしまって勿体無いような気がする。素晴らしいとは思うんだけど…


そういえば、今年のアカデミー賞で嬉しかったことの一つが今作の受賞。撮影賞をロジャー・ディーキンズが受賞した。13度のノミネートだよ。ヤバイよこのおじさん笑

尺は流石にじっくりという表現が合わないくらい長い気がする。テンポよく行けば1時間で終わる内容っちゃないようである。それをたっぷりレプリカントの切なさに込めているのでこの尺なんだろう。うん。俺は認めるよ。寝たことも認めるけど。気軽にもう一回とはならないけど好きな作品。
群青

群青