KouheiNakamura

マリアンヌのKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

マリアンヌ(2016年製作の映画)
3.8
砂塵に消えた二人の愛。

第二次大戦時、フランス領モロッコ。カサブランカの街で二人は出会った。嘘から始まった二人の関係は、やがて本当の愛へと変わるのだが…。ブラッド・ピットとマリオン・コティヤールが運命に翻弄される男女を熱演したサスペンス映画であり、ロマンス映画でもある。監督はロバート・ゼメキス。


戦争と恋愛は相性がいい…かどうかは分からないが、それこそハリウッドはよくこのモチーフで映画を作ってきた。風と共に去りぬは言うまでもなく、誰がために鐘は鳴る、ひまわり、そしてカサブランカと数多い。ハリウッド資本ではないが、ロング・エンゲージメントなんて映画もあった。
このマリアンヌもこれら戦争ロマンス映画に名を連ねる作品だ。監督が意識したのはカサブランカ(物語前半の舞台でもある)とのことだが、それ以外にも様々な戦争ロマンス映画の影響が伺える。
演出も鏡を使った構図や絵画のような平面な画で人物を捉えていて、往年のクラシック映画を思わせる作り。ブラッド・ピットもマリオン・コティヤールも流石の上手さ。複雑な感情を少ない表情の変化で物語る。

惜しむらくは、前半が少し駆け足で浮ついていること。ここがもう少し作り込まれていれば後半の引き込まれ方がまるで違ったはず。またあまりにもクラシックな作品なので、現代的な感覚で見ると少し古臭く感じる部分もあるかも。
とはいえ、一見の価値ありな大作だと思いました。映画らしい映画を観たい方にオススメそます。
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