「エデン」とは役目を終え継承する地。
2029年、ミュータントが激減した近未来。
ウルヴァリンことローガンはメキシコに逃れ、年老いて認知症を患うプロフェッサーXことチャールズの世話をしながら、リムジンの運転手をすることで日銭を稼ぐ生活を送っている。
彼は自らも何らかの中毒症状と思われる病気を患い、かつてのパワーと俊敏さ、そして彼自身の代名詞ともいえる治癒能力「ヒーリング・ファクター」の衰えを感じている。
貯めた金で船を買い、海上で穏やかに余生を過ごすことを望んではいるが、時折発作を起こすチャールズの介護もあり、生活もままならない状況だった。
そんな生活のなか、彼はローラという少女と出会う。
彼女は、ローガンと同じアダマンチウム製の爪を隠しており、ある「組織」に追われていた。
チャールズからの助言もあり、ローガンは疎ましく思いながらも彼女を助け、安息の地「エデン」へ向かう旅に出る。
幾度となく組織から襲われる旅のさなか、彼は彼女に隠された驚愕の真実を知ることとなる...。
今回は単なるヒーロー映画ではなく、観応えのあるヒューマンドラマでもあった。
今までの『ウルヴァリン』を踏襲しつつも、物語の抱えるテーマの本質がガラッと変わった印象だ。
ローガン演じるヒュー・ジャックマンの演技は言わずもがな、ローラ演じるダフネ・キーンの演技が光っていた。
不死身で不老不死に限りなく近いはずの『ウルヴァリン』が、年老いて弱く小さくなり、より荒んだ生活を送っている。
そんな彼が一筋の希望を託すこととなる少女ローラ。
彼はローラの中に、違う人生を歩む自分の姿を映したのかもしれない。
タイトルが『ローガン』である理由。
物語を観終われば自ずと感じ取れることになるだろう。
ハナマル!
2018/07/22