しぇんみん

LOGAN ローガンのしぇんみんのレビュー・感想・評価

LOGAN ローガン(2017年製作の映画)
3.9
「エデン」とは役目を終え継承する地。

2029年、ミュータントが激減した近未来。

ウルヴァリンことローガンはメキシコに逃れ、年老いて認知症を患うプロフェッサーXことチャールズの世話をしながら、リムジンの運転手をすることで日銭を稼ぐ生活を送っている。

彼は自らも何らかの中毒症状と思われる病気を患い、かつてのパワーと俊敏さ、そして彼自身の代名詞ともいえる治癒能力「ヒーリング・ファクター」の衰えを感じている。

貯めた金で船を買い、海上で穏やかに余生を過ごすことを望んではいるが、時折発作を起こすチャールズの介護もあり、生活もままならない状況だった。

そんな生活のなか、彼はローラという少女と出会う。

彼女は、ローガンと同じアダマンチウム製の爪を隠しており、ある「組織」に追われていた。

チャールズからの助言もあり、ローガンは疎ましく思いながらも彼女を助け、安息の地「エデン」へ向かう旅に出る。

幾度となく組織から襲われる旅のさなか、彼は彼女に隠された驚愕の真実を知ることとなる...。

今回は単なるヒーロー映画ではなく、観応えのあるヒューマンドラマでもあった。

今までの『ウルヴァリン』を踏襲しつつも、物語の抱えるテーマの本質がガラッと変わった印象だ。

ローガン演じるヒュー・ジャックマンの演技は言わずもがな、ローラ演じるダフネ・キーンの演技が光っていた。

不死身で不老不死に限りなく近いはずの『ウルヴァリン』が、年老いて弱く小さくなり、より荒んだ生活を送っている。

そんな彼が一筋の希望を託すこととなる少女ローラ。

彼はローラの中に、違う人生を歩む自分の姿を映したのかもしれない。

タイトルが『ローガン』である理由。

物語を観終われば自ずと感じ取れることになるだろう。

ハナマル!

2018/07/22
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