ふしみあい

バイバイマンのふしみあいのレビュー・感想・評価

バイバイマン(2016年製作の映画)
3.5
冒頭の男が突然猟銃を持って友人たちを殺すシーン、男の異常さやそれと相反する晴れた空、明るい住宅地が妙に怖い。

しかし主人公たちが出てきてからは一転、色彩を抑えた、青っぽい画面が続く。海外ドラマっぽい…。主人公の青白い顔が暗闇に映えてそれはすごく良かった。

バイバイマンがそもそもなんなのか、なぜバイバイマンという名前なのか、全くわからないまま、話は進んで行く。そういう脚本にするならバイバイマンという造形を見せなくても良かったんじゃないかなあ…。猟犬とバイバイマンの見た目はすごく怖かったけど、話的には浮いてた気がする。

油断しといて驚かせたり、車が横転してクラッシュしたり、電車に轢かれたり、視覚的に楽しめる部分も多い。カメラワークも格好いい。でもイマイチパッとしない印象があるのも事実。

出演者は背後に霊がいるのに気づかない、というホラー映画の演出にものすごく恐怖を抱くのだが、今作でもその手法が使われていて、そのシーンが一番怖かった。正直バイバイマン出てきても、ニヤニヤしてるフードのおっさん…って感じだったなあ。
壁に掛けてある服が人に見えるとか、木立の陰に誰か立ってるように見えるとか、カーテンが揺らめいてるとか、そういう日常に潜む恐怖を最後まで貫いたら良かったのにと思う。