ベルサイユ製麺

ハイジ アルプスの物語のベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

ハイジ アルプスの物語(2015年製作の映画)
3.5

1日1本、規則正しい視聴を心掛けていますが、レンタルする時まで1日1本だと効率が悪いので、何本かまとめて借りるようにしています。その際「アクション3本と邦画1本とかだとバランス悪いな…」とか思って、何となくジャンルを散らばらせてバランスを取ったりしてみるのですが、実際鑑賞する段になると1本ずつなので、「バランス考えて選んだけれど、今日コレそんなに観たく無い…」みたいな事が頻繁にあります…。
『ハイジ』!あんたの事だよ!!!!!

…原作アニメの事はボンヤリとしか知りません。確か、増えすぎた人類を宇宙に移民させるようになって半世紀くらいの設定なのかな?何かが大地に立った!と大騒ぎしているシーンが記憶に有る程度です。まあ、知ってたら知ってたでネガティブな印象を抱きがちだと思うので寧ろ好都合。言い方は何ですがダメ元です。

始まった瞬間に、その空気感の良さ(曖昧表現)に期待が高まります。なんか凄くしっかり作ってるみたい。
ハイジの女の子、“じゃりン子ベティ・ブルー”と言った雰囲気。髪がくりくりしてて、可愛いし、微妙な表情の演技とか出来る実力派ですね!
で、ぐいぐい手を引かれて連れて行かれるアルプスの風景の美しい事!細菌だらけのエアコンの風を浴びている事を一瞬忘れてしまいました!爽やか〜。霧ヶ峰〜。
で、山に住む爺さま“おんじ”登場です。この映画のおんじのルックス、ヒゲと頭髪が完全に融合していて、ぱっと見は完全にapeのマーク!Tシャツにしてほしい!
街ではおんじの事を「人を殺した事があるらしい…」なんてヒソヒソ言ってるのですが、巨大なデスサイズを振りかざし険しい顔で草刈りに勤しむ姿には、ナルホド感が有る。というか、噂の元とかが一切語られないのがマジ怖い…。
あと、ペーターなのですが、顔…。物凄く印象的です!なんとも独特で、自分の例えエンジンが完全にオーバーヒートしました。完敗です…。
ペーターとハイジは直ぐに打ち解けて、ペーターがハイジを丸め込んで食事を掠めたり、プレーリードッグに投石したりして楽しく過ごしているわけですが、なんやかんや有ってハイジは都会のお屋敷に売られて行きます。ここでクララと出会います。原作の事を知らないので、クララとハイジが意外と年端が離れている事にちょっと驚きました。実写版のクララは、…ちょっと高見沢さんみたいに見えますね。マッターホルンの形のギター持ってそうです。
お話のトーンとしてはハイジ受難の時期なのだと思うのですが、クララと友情を育む展開が心地良いのと、何よりハイジが学ぶことの大事さに目覚める展開がグッと来ます。少しずつ文字を覚えていくシーンのカタルシス!子供達にはみんな見て欲しいです。勉強大事だよー!勉強しないとワシみたいになるよー!!

お屋敷の生活に、それなりには馴染みながらもホームシックでメンタルをやられたハイジは山に帰る事になります。元の山での暮らしにイキイキのハイジとは対照的にクララは塞ぎ込みがちになり、療養の為にハイジに会いに山に遊びに来ます。で、この辺りから後は、皆さまご存知の展開なのですが、有名なRX-78ク・ララが大地に立つシーンが、アニメで知っているのとちょっと違います!でもこれはこれで良いなー。

…鑑賞前のネガティブな印象はマジで全くの誤りでした。それなりの長さのストーリーを巧みに2時間以内に再構成し、人物の配置、心の動きが見事にストーリーを駆動させます。全体的に滅茶苦茶上手い!一瞬の違和感も淀みも無く流れていきます。所謂“子供騙し”感は皆無。ホントに構成や演出の教科書にして良いレベルだと思います!いやぁ、観て良かった。
因みに、最近忘れがちですが、子猫ちゃんが2匹、ネコネコメーターは2🐈
おススメです!…あ!ハイジの映画、何本かあるみたいなので、パッケージでおんじがapeぽく写ってるヤツだと覚えてください。ヤギの名前はちゃんとユキちゃんだったよ!