ペコリンゴ

ビッグ・クラブ・パニックのペコリンゴのレビュー・感想・評価

ビッグ・クラブ・パニック(2015年製作の映画)
2.1
記録。
巨蟹はともだち。

久々(?)のバカ映画枠。
いやねぇ、男の子ですもの。何でも大きいものが好きなんですよ。それが例えカニであってもね。

そう、このバカバカしいジャケ写が示すように本作の目玉は巨大なカニである。

キャッチコピーは一文字毎に「!」を挟んでいく超ストロングスタイル。内容の下らなさを暗に教えてくれる親切設計には頭が下がる。もう足を向けて寝られない。

さらに凄いのは日本でのソフト化に際して作成されたそのあらすじ。フィルマでも見れるので是非ご一読頂きたいのだが、デタラメ過ぎてぐぅの音も出ない。隕石など降ってこないし、このカニは化石化なんてしていない。ましてや1世紀の眠りから覚めた古代蟹でもない。成長を促す薬を摂取したただのカニだ。ここまでいくと嘘もまた清々しい。

ハッキリいって本作の見所を見出すのは至難の業だが、強いて言えば21世紀に入って久しい2015年制作の作品でありながら、ストップモーションで表現されたカニの勇姿だろう。

微妙に可愛いカニのルックスとチープでカクついた動作は味わいがあると言えなくもないが、DVDのジャケ裏に書かれている、レイ・ハリーハウゼンの遺志を継ぐ云々の売り文句は頂けない。『ゴジラ』や『スター・ウォーズ』にも影響を与えたとされ、20世紀における特撮技術の創造主である氏の名を利用するなど言語道断。第一こんな作品に遺志など継いで欲しくないだろう。

普通ではいられなくなった哀れな存在に対する救済を描くなど、割と「おっ」と思う節もあるけど、まぁ皆さんご想像どおりのバカ映画でした。