きよぼん

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリーのきよぼんのレビュー・感想・評価

4.4
予告編でも流れる、ハンソロとキーラが会話するシーンが好き。キーラが「本当のあなたを知っている」というところで泣きました。いや、とりたてて語るシーンじゃないかもしれませんが、自分は胸にズシリときたんですよね。

ハンソロは、パイロットになることを目指して惑星コレリアを脱出します。自由の身にはなるものの、犯罪シンジケートに命運を握られてしまいます。

これって現実世界の自分の姿なんですよね。台詞にあるように現実は「誰かに仕えるしかない」し、様々なものから抑圧されているし。そこから飛び出すこともなかなかできない。だけど、映画の中のヒーローは、力に従わず生きることができるという夢をみせてくれるわけです。

なぜそんなものを観たがるのか?という答えは、キーラがハンソロに向かっていう「本当のあなた」、と「ハンソロとの夢」に答えがあると思うのです。平凡な言葉なです。ハンソロに向けた言葉なんですけど、映画を観ている人にとっては、自分はこうありたいという願望ではないでしょうか。とてもヒーローのような真似はできないけれど、ちょっとした勇気がもらえる。それが映画の大きな役目のひとつなのです。

そして、映画の台詞の役割というのは、キャラクターとしての言葉だけではありません。観ているファンが「よくぞ自分が思っていることを言ってくれた!」と、ストンと胸のつかえが下りるような、共感することで救われる快感という側面でみても、気持ちが良かった映画でした。

人がヒーローに何を求めるのか?そしてスペースオペラを語るときに観ておかなければいけない1本だとオススメしておきたいです。




あと、画面が暗すぎる。映画館が何か設定間違えて上映してるんじゃないか?と疑うほど、異常に暗い。場面によっては誰が何をしているかわからないこともしばしば。それが演出につながってるかというと、そうは思えない。興行成績がふるわず、いろいろ指摘されてるけど、この尋常じゃない画面の暗さが全てのような気がするなあ。
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