しゅん

アルジェの戦いのしゅんのレビュー・感想・評価

アルジェの戦い(1966年製作の映画)
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まず、どんな理由があれ基本的に一般人を殺してはいけない。まじで。死は死を賭した人間同士が扱うものだと思うし、革命や自由という言葉の価格落下とテロリズムは大いに関係ある。野暮は承知だし史実に文句を言っても仕方ないが、やはり作品自体FLNを美化してる気がするのだ。
それと矛盾するようでしてない話だけど、銃撃戦や時限爆弾は検問の抜け方含めて興奮する。モリコーネのペンによる狂騒的なパーカッションや悲壮なオーケストラは革命の熱さより人間の根本的な好戦性を表してる感じすら覚えました。ガスパの街の急な階段の多さを利用した上下の動きにも熱くくるものがあったな。
「アルジェの戦い」とアルジェリア独立が実は無関係だったんじゃないかと思わせる展開がすごい。ネオリアリズモと同じく実は相当ドラマティックだが、最後の女の顔はリアルだ。描き方がどうであれ、こういう戦いがあったことを実感させる意味で強くドキュメンタルな作品だろう。
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