ゆめちん

ガザの美容室のゆめちんのレビュー・感想・評価

ガザの美容室(2015年製作の映画)
3.0
ガザの美容室

緑色のポスターに惹かれて鑑賞しました。

舞台はパレスチナ自治区ガザ、ロシア出身のクリスティンが経営する美容室には、結婚式を当日控えた母と娘、妊婦、離婚経験者の女性、マフィアの恋人に悩む女性などが集まり、他愛もない会話をしながらストレス発散をし、午後のひと時を楽しむ社交場に。
そんな美容室を舞台に、戦争状態という日常でもたくましく生きる13人の女性たちを描いた作品。

普段はヒジャブを被る彼女たちですが、美容室の中では全員髪の毛を見せている光景はとても新鮮に映ります。

数発の銃声が聞こえると、美容室はいっきに戦場の真っ只中に取り残されます。停電で暗闇の中で銃声の音だけが響き渡り、目に見えない恐怖を感じながら彼女たちの不安が募っていく様子がとてもリアルに描かれ、見ている側にも恐怖が伝わります。

この作品は、ガザのとある美容室でのとある数時間を切り取って描かれていますが、昼夜問わず様々な場所で、毎日同じような事が現在進行形で起こる中、それでもたくましく生きる女性や子供がいるという現実と、戦争はしたくないというメッセージが込められ、心に刺さる映画でした。
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