このレビューはネタバレを含みます
MCI(軽度認知障害)はドラマに使い易い存在ではないかと思いますが、それとアウシュビッツを上手く絡めて良くできたサスペンスに仕上げています。
老人ホームに住む主人公の老人(クリストファー・プラマー)に終始漂う哀感。
危なっかしくてヒヤヒヤさせて、そしてそこに彼の送ってきた人生の深さが加味されて……
彼を始めとして老人達が驚きのラストに連れていってくれます。
「嗚呼、そうだッのか!」と全てを思い出した自分。
サスペンスとしてはこうこなくちゃというラストですがしかし、そんな大事なことさえも俺は忘れていたのか!俺は自分の人生さえも忘れていたのか!という自分への果てし無い絶望感を感じるMCIの老人がとても切ない。