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インク壺の外へのTnTのレビュー・感想・評価

インク壺の外へ(1919年製作の映画)
3.7
 これがアニメの初期衝動だと思うと、発明した人類がイかれてる笑。なんでカートゥーンってこんなぶっ飛んでるのか。しかも、初ロトスコープ作品だ。そして実写と絵の融合が見受けられる。道化師のココは監督のデイヴ・フライシャーが若い頃に遊園地でやってたピエロの仕事からきてるそうだ。

 実写との融合はウィンザーマッケイの「little nemo」(1911)でも見受けられるが、今作はより洗練されて現実とアニメの境界を曖昧にしている。それも全部ユーモアを兼ね備えている。まさにOut of the Inkwellな発想の数々。

P.S.
 ウィンザーマッケイの「little nemo」は逆にロトスコープじゃないのがイかれてる。あの奥行きとかの狂いのなさ、しかも一人でやってるという。つまり、アニメに着手する際みんな結構凝りに凝った表現しがちだったんだなと。手塚のアトムみたいに肩の力抜くのはもっと後。
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