けんたろう

喜望峰の風に乗せてのけんたろうのレビュー・感想・評価

喜望峰の風に乗せて(2018年製作の映画)
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人に、海に追い詰められる物語。


広大な海上に浮かぶ小さなヨットの中で、無線から聴こえる情報はドナルド(コリン・ファース)を究極に追い詰める。
まさかこんな話だとは思わなかったなぁ。

ドナルドは強い人間ではなく普通の人間だ。
勇気ある決断をしただけで、どんどん追い込まれていくこの映画を観てると、一歩踏み出すことがすごく怖いことと思えてしまう。


パンフレットにはメディア批判的なことも書いてあったけど、それよりは人間が生きる難しさを感じた。

たしかに過剰な広報によってドナルドは作られたのかもしれない。
けど、ドナルドの外より内に深い作品だったがゆえに、メディアの悪事はそこまで強く心に残らなかった。

つまり一言でまとめると、コリン・ファースの一人演技に引き込まれる映画だった。