yukihiro084

ヒトラーの贋札のyukihiro084のレビュー・感想・評価

ヒトラーの贋札(2007年製作の映画)
4.5
なんか、大作疲れ、話題作疲れ
しました。

昨年の今頃、息子は、周期性嘔吐症と言う
病気になりました。卒園式の翌日から、
激しく吐き始めて、謎の嘔吐だったん
ですけど、周期性嘔吐症と言う初めて聞く
病気でした。感受性豊かな筋肉量の少ない
男の子がなりやすく、感情の振れ幅が多い
何かがあると吐き始めるという心因性の
病気でした。実は先日のドラえもんで
大泣きした数日後も、似たような症状に
なって、お医者さんは胃腸炎って言うけど、
あれはたぶん、周期性嘔吐症だと思う。

脱線したんですけど、なんか話題作
ばかり見続けると、疲れますね。
まとめて観るとダメだな。
なので、そこまで大作じゃないの書きます。

ヒトラーの贋札です。大作っちゃー大作か。
↑題材は疲れそうじゃん

ホロコーストを描いた作品です。
第二次世界大戦下の強制収容所で
ニセ札作りをすることになった
ユダヤ人技術者たち。
上手くいっても、口封じのため殺され、
上手くいかなくても、殺されるであろう
明日をも知れぬ男たちの葛藤の物語。
この主人公、捕まる前から犯罪者
なんです。全然立派な人じゃなくて、
パスポートの偽造など朝飯前のプロの
贋作師だった。この主人公のキャラクター
がいいんですよ。綺麗事じゃないとこが。

元々、裏通りを歩いてきた男だから、
正義感とかがない。理想とかがない。
ナチスの将校に媚びへつらってでも生き延
びようとするこの主人公のサリーと、
正義感の元、ナチス側の要求に断固抵抗
をする仲間のひとりのブルガー
特殊技能から高待遇の彼らの目の前には、
呆気なく消えてゆく同胞の死があった。
ニセ札が成功すれば、さらに多くの
同胞の命が危険にさらされるが、
自分の命も惜しい。
同胞の命か、自分の命か、そもそも
明日あるのかもどうかわからない命。
そんなギリギリの中、失われてゆく
仲間の命。迫る完成へのリミット。
ニセ札は上手くゆくのか?
ニセ札は見破られてしまうのか?
ニセ札は果たして間に合うのか?

同じ状況だとしたら、どうするかと。
僕はサリーなのか、ブルガーなのか?
仲間を守る方法も、闘い方も違う2人。

偽物ばかりを作ってきた男の、
真実のドラマ。真実の葛藤。
そして、真実の悲しみ。

アカデミー賞外国語映画賞受賞作。
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