ヒトラーの贋札の作品情報・感想・評価

「ヒトラーの贋札」に投稿された感想・評価

Meg

Megの感想・評価

5.0
面白かった!今まで見たナチスによるユダヤ人収容所ものの中では最も好きである。従来の作品とは異なった視点から描かれており、非常に興味深い。登場人物も純粋な悪人は出てこず、それぞれが様々な立場・思いに基づいて振る舞う姿は切なさをも込み上げてきた。私は生への渇望を複数の視点から描いている映画が好きなので、これもまた然りである。全体的なトーンは暗いが、それだけで切り捨ててしまうには惜しい。他の収容所ものが受け付けなかった方にもおすすめ☆
Yudai

Yudaiの感想・評価

3.5
目の前の命を救い生き残るため最善を尽くすサリー。
贋札を作ることでナチスを助けてしまう葛藤するユダヤ人。
恐怖でナチスに従う事しかできないユダヤ人。
それぞれの思いがテンポよく描かれていく。

この類のヒトラー映画あるあるでヒトラー本人は出てこないが、
ヒトラーの存在が恐怖と支配という形で強く感じられる。
のら

のらの感想・評価

3.5
タイトルにヒトラーと付いているものの、ヒトラーは出てこない映画で原題は「偽造者」という意味のドイツ映画。制作はヒトラー映画の金字塔といえる「ヒトラー 最期の12日間」と同じところが担当してる。

話としては第二次世界大戦末期にナチスドイツによって行われたベルンハルト作戦の様子を描いている。これは偽札を作ってイギリスの経済を混乱させるというもの。たかが偽札で劣勢のドイツが逆転できるほどイギリス経済が混乱するのか?と思うが、真贋を見極めるのが困難な偽札というのは流通しなくても、存在が確認されるだけで経済を混乱させる効果がある、実際イギリスでは5ポンド紙幣が利用できなくなる事態にまでなっていた。

それでその偽札を誰が作っていたのか?というのがこの映画のメインストーリーになっている。ナチスによってアウシュビッツからザクセンハウゼン強制収容所に連れてこられたユダヤ人達がそれを作っている。

つまり主人公達はナチスのために偽札を作らないと即死が待っているという極限の状況に置かれてしまう。必死になって偽ポンド紙幣を完成させると、今度はアメリカドルを依頼される。

しかし主人公はドイツ軍の劣勢を知ってしまう。この偽のドル紙幣の完成を先延ばしにすればするほど、ドイツ軍の敗北が近くなり、皆助かるのではないかと仲間の一人が言い出してサボタージュしだすが、主人公はナチスがユダヤ人を使い捨てにしかしないことを知っているので、自分やその仲間の生命を守るためになんとか完成させないといけない。

かといって戦争が長引けば、より多くの同胞たちがナチスによって殺される、その狭間で揺れ動くという内容で、正しい決断とは何なのだろうか?と思えるラストの物悲しさは非常に良い。

ただ映画としては少し華がない部分がある。強制収容所内にある偽札製造専門の工場という閉じた世界が舞台なので、映画よりも舞台演劇の方が向いている題材かもしれない。

またこの話の舞台はザクセンハウゼン強制収容所で、一般的にホロコーストというとアウシュビッツを連想させるのだけど、ザクセンハウゼンは収容所のキャパに対して収容人数がオーバーしていたり、軍の研究施設やも兼ねていたせいで連合軍に爆撃されたりと、かなり悲惨な事になった強制収容所でそのあたりももう少し掘り下げても良かったかもしれない。
Rin

Rinの感想・評価

3.9
カール・マルコヴィクス目当て。
ベルンハルト作戦というものを知らなかったので、いい機会になった。
ナチスに反抗するブルガー、ブルガーを告発しようとした仲間、結核の少年、全ての仲間を守ろうとしたサロモンのカッコいいこと!!そして、最後に少佐を殺さずたった一言言い放った「小便が漏れてるぞ」というセリフ。伏線も絡んでて痺れた。

それにしてもこの作品、ブルガーが書いたのか!胸熱!!

このレビューはネタバレを含みます

 ナチスによるユダヤ人迫害を描いた作品ではあるが、「ヒトラーの贋札」は他とはひと味違う。贋札を作るために集められた技術者たちは、まともな食事、ふかふかのベッド、自由時間まで与えられている。バックに使われているBGMがこの”平和な”収容所を異質なものに際立たせている。
 主人公のサロモン・ソロヴィッチは元々から贋札作りを家業にしていたプロだ。警察に逮捕される前の彼は傲慢で、悪いイメージのユダヤ人そのものだ。だが収容所に入ってからはあくどい表情が消えている。この落差が凄まじい。贋札作りの仕事に就くまでの彼の目は完全に死んでいる。希望などみじんも感じられないからだ。だが移送先の収容所では仕事を与えられた。それさえこなしていけば生き延びられるかもしれない。彼は微かな希望を抱いてナチスの作戦に加担する。
 それとは正反対に印刷工のアドルフ・ブルガー(映画の原作者)はあくまでナチスに反抗しようとする。反体制派のビラを刷っていた彼には作戦に加担することができない。意を決した彼はサボタージュをするが、それにより仲間の命が危ぶまれることとなる。
 敵に加担して生き延びるのか、信念を貫いて死ぬのか。この2つの葛藤がこの映画では見事に描かれている。もちろん、ソロヴィッチ対ブルガーはその分かりやすい縮図と言える。だが真の葛藤はソロヴィッチ、そして数々のユダヤ人たちの心にある。だから戦争が終結し、彼らが外に出たときの衝撃は計り知れない。同じ収容所のユダヤ人なのに、外の人々は皆青白く、痩せこけている。それに対し、贋札作りのメンバーはみな血色が良く、髪の毛も生やしている。殺される危険もなく、外側から聞こえてくる銃声を耳にしながら、贋札を黙々と作る。ソロヴィッチたちが悪いのではない。だが彼にとってそのショックは大きかった。戦後、あるカジノで大金をはたく彼の目からは疲れが見える。そして光も失われていた。
 戦争が人々の心に何を植え付けるのか。この映画はそう問いかけている。
(12年8月18日 BS 5点)
ぴーち

ぴーちの感想・評価

4.3
ベルンハルト作戦なんて知らなかったや。
ただドンパチやるだけが戦争じゃないんですね。
WW後に超インフレで超苦しんだドイツの作戦だと思うと、ちょっとなるほどなって思った。
Kazuhiko

Kazuhikoの感想・評価

3.5
ヒトラー題材にするとなんでこう面白くなるんだ。

しかも贋札が絡んでるとしたら面白くないわけがない。
HITOMI

HITOMIの感想・評価

3.8
思っていたよりも重厚な戦争映画。当時のナチスは偽札作りもしていたなんて、知りませんでした。あんな場所に閉じ込められて、ドイツ兵にいつ殺されるかわからないユダヤ人が、贋札づくりをしながら生き延びていく…実話に基づく話なので説得力が凄かった。
改めて戦争は良くない。こんな悲劇は繰り返してはいけない。単純にそう感じることができました。
第二次大戦中のナチスの勢力吹き荒れる頃、ユダヤ人の強制収容所で技術(スキル)の高い囚人がナチスのための贋札を作らされる物語。

この贋札づくりを行えば、収容所でも厚い待遇が受けられる。
しかし、ナチスのために貢献することになってしまう。
ユダヤ人は、このため、葛藤することになる。

人間が極言状態でどうしたら良いのか、を問う映画であった。
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