タキ

シュガー・ラッシュ:オンラインのタキのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

前作を観るヒマがなくおそらく予習しなくても大丈夫だろうということで観に行ったけど結論から言うと無問題だった。前作のいきさつがわかるようなセリフが端々にあり、ゲーム内では悪役でビルを壊してばかりのラルフがシュガーラッシュの天才ドライバーヴァネロペに必要とされることで2人は親友同士になったということは分かった。このふたりが暮らしている世界はインターネットとは接続していないゲームセンターにあるようなゲームなんだが見るとなかなかの古臭さで今にも潰れそうなゲーセンだったけどイマドキの子があんなとこで遊ぶのだろうか。ローカルゲーム(こんな言葉があるのか知らないが)のキャラクターがインターネットの世界に憧れるというくだりも危機感があってのことではなく、よりスリルを求めてということで、いやいや近く君らのいるゲームの世界なくなっちゃうよ?とそっちの方が気になる。可視化したインターネットの世界はとてもうまく作られていて単純に感心しながら見た。元がアナログ人間なのでこういう風に描いてくれるとわかりやすいし未だにちょっと恐怖心すら抱くインターネットにいくばくかの安心感を感じる。しかし「ともだち〜ともだち〜」といいながら薄気味悪く増殖するラルフウィルスを最初はセキュリティエリアにおびきよせてとかいう話だったと思うがヴァネロペとラルフ(本物)の説得で瓦解するという結末はイマイチだった。説得でウィルス除去できるなら世話ない。機械は叩いて直すレベルではないか。
ラルフは唯一無二の親友ヴァネロペをインターネットの世界に送り出すわけだが、この2人の別れのシーンには泣いた。キャラクターの表情や動きの細やかさが最大限に生きているシーンだと思う。
冒険の世界に踏み出す女の子と変化よりも安定を望む男の子という設定は従来のディズニープリンセスとは一線を画す作りで時代の流れを感じる。気を失ったラルフが白雪姫の格好で寝ていてカエルのキッスで目が覚めるくだり、寝ている女の子に了承もなくキスをする従来の王子像をブチこわす勢いで面白かった。
エンドクレジット中、車中で幼児がうさぎちゃんにパンケーキ食べさせるゲームをやっていて途中からでてきたラルフとヴァネロペのせいでゲームがバグってしまい幼児の絹を引き裂く悲鳴で終わったのめちゃシュールだったけどあれはなんだったのwww最後に毒を仕込むあたりは嫌いじゃない。

吹き替え版でみたがラルフ役の山寺宏一は文句なく素晴らしい。ヴァネロペの声の諸星すみれもヤンチャなしゃべり方が愛らしくてよかった。こういう映画だと話題作りでタレントが吹き替えをするのが一般的になっているように思うがガッカリすることもわりにあるのでこのキャストに関しては大満足。タレント枠ではシャンク役が菜々緒だったが出番がそんなに多いわけでもなかったし低音ボイスが耳に心地よく問題なかった。
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