DcatcHerK

ラストレシピ 麒麟の舌の記憶のDcatcHerKのレビュー・感想・評価

4.0
 予告編では、「歴史もの」って思っていたけど、料理を通じて民族を超えた人とのつながりや愛、友情を描いた秀作だと思う。
 麟の舌を持つ主人公を二宮和也さんが演じているが、最高の料理を作ることを求めているものの、人を信じず、愛情では料理はうまくならないと考えている孤独な料理人を見事に演じた。主人公の不遜な感じが、この映画のテーマをさらに浮き彫りにしたと思う。主人公の友だちを演じる綾野剛さんも、朴訥で友情に熱い人物を素敵に演じていた。綾野剛さんはいろんな役を演じられる俳優の一人だと、いつも感心している。
 西島秀俊さん、宮﨑あおいさんも料理に対する思いや料理を通じて人とのつながりの大切さを見事に演じていたし、竹野内豊をはじめ周りを固める人たちも良かった。
 観終った後に、運命や人とのつながりにジーンときて、ボロボロ泣きではなく、余韻が静かに静かに目の奥から涙を運んでくる、そんな映画だ。
DcatcHerK

DcatcHerK