Asuuu

荒野にてのAsuuuのレビュー・感想・評価

荒野にて(2017年製作の映画)
4.3
『競走馬はペットじゃないの一愛しちゃだめよ』
『僕はピートには乗らない』
🏃🏇🐴
○一人映画向け ○短文Review

チャーリー・プラマー目当てに鑑賞
【ゲティ家の身代金】で注目されていた彼が主演しているので続いてこれも見なくては✨

本作品はインディーズ映画の中でも話題作の多いA24配給。


<Review>
現代アメリカ社会に疑念を呈した作品
よくあるアメリカの田舎のロードムービーかと思いきや
"ティーンネイジャー with 馬"ということで、純粋すぎてなんか…マブシ(*´つ_⊂`)

主人公のチャーリーが軸なので、世の中が彼目線。それゆえ大人達の気持ちや事情なんか分からないし、何を言われるのか何をされるのか伺うことしかできない。
しかしここでは全てが自己責任、過去がどうであれ少年は強く生きなくてはいけない。

10代特有の"自分のこと以外何も出来ない無力さ"や"ここではないどこかへ行きたい野望"や"どうしようもなく悪さもしてしまう"感じ凄くリアルでひしひしと感じてくる🙌
馬と少年の友情ものかと思いきや、わりと重い人間ドラマでした。


そして、私の母性本能爆発💥
泣くこともなくただ呆然と立ちすくんだり切羽詰まっていたり、

良くない方向にいこうもんなら『私の所へきて美味しいモノ食べさせてあげたい』
泣きつこうもんなら『ずっと抱きしめてヨシヨシしてあげたい』
時折笑みを浮かべようもんなら目線が完全なる『保護者』になりました(笑)


原題が[Lean on Pete]なので馬の名前であり、Leanに色々な意味があるように馬が1つのテーマになるんですが何はともあれ
少年×馬 の関係性が素敵でした!
本作中1度もチャーリー🏃がピート🐎にまたがるシーンはなく、荷物すら乗せない。ただ隣に寄り添う形でずっとしゃべりかける。

馬は喋れないため返答はないのに身の上話をずっとしゃべったり純粋に受け入れてくれる存在が欲しかったのかなと気づかされます。
大人になればなるほど回りくどいとこから逃れていき
良く言えば効率的、悪く言えばずる賢くなっていく人が多い現代において不思議と彼らのような存在が少し羨ましいとも感じました。

旅の途中で色んな出会いや別れもありましたが、
少年はしだいに世の中の試練を通じて成長していきます。


主人公チャーリーを演じたチャーリー・プラマーは撮影時は17歳くらい。
現在同い年なので勝手に親近感が湧きます(笑)
ゆえに凄くリアルなティーンネイジャー姿、
あどけない少年感や純粋な中にある凛々しさもあって魅力的でした。
一人のシーンが多いのに目配せや仕草が丁寧かつ繊細で目を奪われます👀
皆さん言うようにこれからが楽しみな俳優さんです🥰
Asuuu

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