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荒野にてのzogliのレビュー・感想・評価

荒野にて(2017年製作の映画)
2.6
原題のリーンオンピートというのは競争馬の名前だった

少年と馬の、のんびりまったり系ロードムービー風味な映画なのかな〜と思って観てたら不幸の連続で驚き

父が女取っ替え引っ替えして各地を転々とするせいで学校も行けず友人もいない孤独な少年が、世話を通じて情がわいた 殺処分間近で所持者にも見放された自分と同じくひとりぼっちの老馬ピートを連れ1人と1頭の逃避行
居場所と生き甲斐をくれたと思っ調教師と騎手は馬を金儲けの道具としてしか見てないし
全く立派では無いけれど自分をそれなりに愛してくれてた唯一の家族である父は不倫がらみの報復を受けて命を失う
旅の途中で出会った束の間の居場所をくれた男達にも甘えられずに自ら離れ、心許した肝心の相棒ピートまでも途中で別れる事になり、お金もないので罪を重ねてどうにかしぶとく日々をくぐり抜けて……最後にどうにか小さな小さな幸せに辿り着くというお話

主人公も苦しい選択をたくさんしないといけないし、道中出逢うのも問題のある人達ばかりで善人や幸せな人がほとんど出て来ないし、「現実は甘く無いんだよ、未成年1人の青臭い正義感で突っ走るだけでは世の中うまくやっていけないんだよ」って現実を噛み締めさせられるので観てて辛い
ストーリーのテンポも良く無いのでダラダラと他人の不幸を観せられてる感じがして嫌になる人は居ると思うし、自分も身体と精神に余裕が無い状態で観てたら途中寝落ちしてしまっていたかもしれない

ただ観てて確かに辛いのだけど、自然の風景と馬の姿、主人公の少年の瑞々しさが印象的で、それが不幸を少し和らげてる感はある
川縁で2人で過ごすシーンとかも、先行きの見えない不安の影が少し消えた素敵な笑顔が見られたので凄く記憶に残ってる

チャーリー役の俳優くん(チャーリープラマー)が若いカンバーバッチみたいな感じ
ヴァイキングじゃ無いトラヴィスフィメルが観られて満足
スティーヴブシェミは口の悪い爺さんで最初わからなかった
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