実話に基づいたお話
ユダヤ人であるデボラ(レイチェル・ワイズ)が自分の良心と正義のままに戦おうとする姿は、当事者であれば当たり前のことで、誰であってもそうすると思う。
でも、裁判は個人の良心と正義だけでは勝てないという事を弁護団は痛いほど知っている。
事実が目の前にあるんだから、それを証言すればいいんでしょ?と簡単に結果を求めたり、歴史の被害者に寄り添っているつもりになっていても、思わぬ論理でねじ伏せられてしまう。
その事に気付けず、弁護団を心から信じられないデボラの態度に、しょうがないとは思うけど、やっぱり苛立つ。
作品中には詳しく描かれていなかったけれど、弁護団が膨大な資料から綿密な調査をしていたことは確かだろうし、議論に議論を重ねていたことも伺える。そこが中心ではなく、裁判の進捗とデボラの一喜一憂がメインだったのがちょっと物足りなかった。