踊る猫

レザボア・ドッグスの踊る猫のレビュー・感想・評価

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)
4.0
処女作の中にその作家の全てが詰まっている、という説がある。なるほど、この『レザボア・ドッグス』の中にもその後のタランティーノを連想させる萌芽は色々あるように思う。裏社会を生きる男たちの哀愁。他愛もないジョーク。妙に生々しい細部。二転三転するスジ……今回の鑑賞で、私はハーヴェイ・カイテルととある人物(誰かを明かすことはネタを割ることに繋がるので、書かない)の間に父と子の関係が成り立つのではないかと思った。もちろんハーヴェイ・カイテルが擬似的な父として子を見守るわけだが、これは『ワンハリ』のブラピとレオの間に父子の関係が成り立っていたのとそっくりなようにも思われたのだ。タランティーノ、意外とファザコン!? ……というのは悪ノリが過ぎるというものだが、この線からタランティーノを探求していくのは時間の無駄にはならないのではないか、と思ってしまった。荒削りだが魅せる。だが、この内容ならいっそのこと密室劇でも良かったのではないかと思う。あと、女性の扱いはこの頃から荒かったのだな、とも。
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