KouheiNakamura

LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門のKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

3.7
骨身にしみる、敗北と挫折。


ルパン三世の仲間たちが出会って間もない頃を描いたLUPIN the Ⅲrdシリーズ最新作。TVシリーズの峰不二子という女、劇場短編の次元大介の墓標に続いて今回は五ヱ門に焦点をあてる。

まずは小池健監督らしい独特のアニメーションが魅力的。リアルな剣戟を求めたというアクションシーンは上々の出来栄え。クライマックスの死闘は安易な見せ方に頼らない、骨太な演出が素晴らしかった。グロいけれど、生理的嫌悪感は少ない。っていうか五ヱ門が傷をものともしないので、観る側の感覚がマヒする。(笑)
LUPIN the Ⅲrdシリーズらしいキャラクターたちの関係性もピリリとして良い感じ。今回出番は少ないが、次元と銭形の格好良さが際立っていた。ピンチの時にも軽口を叩ける大人の余裕、羨ましい。

肝心のストーリーはシンプルな分、細かい部分の作り込みの甘さが気になった。基本無口な五ヱ門の心情をこちらが察しなければいけないので、短い上映時間も相まって全体的に食い足りない印象。
おそらく予定されているであろう、長編に期待といったところか。


余談だが、今作の敵役であるホークはいわゆる熊系男子。マグニフィセント・セブンのドノフリオも熊男だったし…。まさか熊男ブームが来るのか?!
KouheiNakamura

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