おときち

オアシス:スーパーソニックのおときちのレビュー・感想・評価

4.5
「ビートルズ、ビートルズってうるせえな、俺たちにはオアシスがいる!俺のオアシス。いや、俺のオウェイシス」

って本気で思った1994年の春。デビューシングル「Supersonic」を聴いた二十歳の私。ジントニックも飲んださ。

若い!青い!恥ずかしい!おい、ノエルとリアム責任取ってくれよな。
でも本当に嬉しかった。あんなに夢中で追いかけて、シングルもアルバムもCDとアナログで買いまくったバンドは他にいない。ブートレグまで買ってたよ。もちろんネブワースのも買った。


スポーツ選手が自らのピークのタイミングとオリンピック開催年が一致する、という運命のように、あの時期リアルタイムでオアシスに出会えたこと、目撃できたことは控え目に言っても奇跡だ。
自分の生まれた世代を初めて感謝したと言っても過言ではない(いや、過言だな)。
つまりは大好きなのだ。
94年、95年の来日は行けなかったけど、98年の武道館は行けた。
そのあとも何回か観れた。フジロックでも観たなぁ。


バンド結成から1996年のネブワースでのライブまでのドキュメンタリー。
いや、これはもうマンガだよ。こいつら。


当時はまだインターネット黎明期。そのためバンドの動向を知るには雑誌の情報がメインだった。良くも悪くもいろんなニュースを提供してくれるオアシス。いろいろ読み漁った。
いつしかノエルも御意見番みたいになっちゃったけど。


そんなわけで、内容的には知ってることも多かったけど、やはり音源と共に当時の映像、レアな映像で振り返るとさすがに痺れる。
あぁかっこいい。
なんだあの愛すべきバカ野郎どもは。


オアシスってどんなバンド?って人が観てもこれは面白いと思う。
簡単に言うと、ファッキンまゆげ兄弟による、史上最強のファッキン・ロックンロール・バンドだな!ただし2ndアルバムまでな!っていう感じかな。
しかしまぁ、映画内でいったい何回ファッキンって言ってんだろ。


そんなバンドの結成と成功から、挫折、トラブルをギリギリ乗り越えて、嘘みたいなピークを迎えるまでの物語。思ってた以上に映画だった。
音楽と酒とケンカとドラッグだらけのロードムービーみたい。


職人タイプのノエルと天才肌のリアム。
兄弟とはいえタイプが違いすぎるからな。それはぶつかる。
でもいつも最終的には「あいつは兄弟だしな。愛してるぜ」とか言っちゃう二人が好きだったなぁ。
リアムはリアムで思い通りにできない葛藤がすごかったんだな、とか、ノエルもギリギリだったんだな、と改めて確認。
兄弟だけでなく、他のメンバーにもちゃんとスポットが当たってのが嬉しかった。ボーンヘッド大好き。


観たことのない映像がたくさんあった。どれもかっこ良かったし、なんだかんだ仲の良い兄弟の姿が微笑ましい。
家庭環境がいろいろあったとはいえ、どっちも母ちゃん想いのいい奴だったりとか。
しかしリアムは今見てもかっこいいな。アンブロの服とか買ったなー。


ネブワースのライブはやっぱりおかしいよね。あんな規模のライブなんてどうかしてる。
ゲストで出てたジョン・スクワイアがチラッと映ってたのちょっとテンション上がった。


あぁこの映画のせいで、しばらくはザ・ビートルズとオアシスばかり聴くことになりそう。


この映画では取り上げなかったけど、当時メディアに煽られた感もあったオアシスvsブラー。友達の間でもオアシス派とブラー派がいたな。
僕はもちろん「どっちも派」。だってブラーも大好きだったしw。グレアム最高。
でもやっぱりオアシスか。「俺のブラー」ってならなかったしな。


この映画を観て思ったし、前から思ってることだけど、オアシスは再結成しなくていいよ。このままで充分。もう一度観たいっていう気持ちもゼロじゃないけど、お腹一杯になりたくない。
ザ・ストーン・ローゼズの再結成みたいなことはしなくていいぞ。