こういう映画本当に好き。
シャロンが虐められていた理由は明らかにされてなかったけど、調べてみたら何となく察して余計苦しくなった。子供時代のシャロンを取り巻く環境があまりに容赦なくて、頼れるものが何も無くて見ているのが辛かった。フアンのような人がずっとそばで守ることができたら良かったけれど現実はそんなに甘くない。大人になってムキムキになったシャロンには諦めのようなものが感じられて苦しかった。ここに至るまでにどんな経験をしてどんな努力をしてきたのか、そうせざるを得なかったのか想像すると胸が痛む。フアンには、好きなように生きろ、と言われたのに結局は彼と同じような道を辿ることになってしまったのが悲しい。心に残っているのは、オカマって何？という質問に対するフアンの答え。｢ゲイを不愉快にさせる言葉だ。…もしゲイでもオカマと呼ばせるな。｣なんて素敵な回答なんだろうか。
大人になったシャロン役の俳優さんが顔つきも体格もそれまでのシャロンと別人だったから、最初はいやいや無理あるでしょと思ってたのに、ケヴィンと会うシーン見てそんな思いが完全に消え去った。ご飯食べる時の仕草とか時々見せる寂しげな表情が少年時代のシャロンそのもので本当に驚いた。薄っぺらい感想だけど、役者ってすごいと改めて思った。この俳優さんの演技がこの映画により深みを持たせているし、それまでのシャロンの様々なエピソードや経験をぐっとひとつにまとめている感じがした。
あと、フアン役の俳優さんがグリーンブックの人だと知ってびっくりした。この方の演技もとても好きです。
