めしいらず

おとなの事情のめしいらずのネタバレレビュー・内容・結末

おとなの事情(2016年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

タイトル通りのまさに”おとなの事情”。つまり本音と建前は違うというお話。三組の夫婦と独身男の7人は古くからのつき合い。もうお互いに隠し事はないから携帯電話だって当たり前に見せ合えるはず。この拒否し難い提案の仕方がとても巧妙にして悪辣だ。殆どの者が本音では否と言いたいのに、建前が邪魔して是と言う外ない。最初から逃げ道のない提案なのだ。卓上に全員の携帯電話が置かれゲームは始まってしまった。通話はスピーカーで、メールは読み上げられ全員に周知される。案の定、雲行きが怪しくなっていく。次々に明るみになってしまう個々の秘密。自己正当化に饒舌になる者。姑息に立ち回って事態を悪化させる者。とばっちり。差別意識。開き直り。親友同士の、おしどり夫婦の関係は、ほんのひと時で瓦解していく…かと思われたが。この取って付けたラストは何なんだ。本音の激論を経て絆が深まったとでも言うつもりか。あるいは建前を続けるしかないということか。暴かれる女性側の秘密が比較的軽いのに対して、男性側のそれはちゃんと重いのがバランス悪いけれど、男女間の秘密の比重は概ねそんなものなのかも知れない。
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