カツマ

おとなの事情のカツマのレビュー・感想・評価

おとなの事情(2016年製作の映画)
4.1
秘密は秘密のままの方が幸せ?スマホというブラックボックスは開けてはいけないパンドラの箱。もし開けてしまったらこんなことになるかも・・?というお話。イタリア映画らしいテンポの良さと次から次へと暴かれる底無しの泥沼劇に不謹慎にも笑みがこぼれた。群像劇として珠玉の出来だと思います。

友達7人での晩餐の席。みんながみんなやましい事なんて無いという主張のもと、ひょんなことからスマホを見せ合うゲームに発展。だが、それは泥沼の始まり。最初は笑顔でゲームを楽しんだ面々の顔が徐々に凍りつき、出る出るわでついには衝撃的なカミングアウトの連発へ!こうなるともう止まらない!落ちるところまで落ちていく不幸の連鎖に、7人は飲み込まれていく。

ホラー以上に生々しく妙にリアルなためハラハラが止まらない展開。早口でまくしたてるセリフと次から次へと現れる新事実に翻弄される登場人物達の醜さはもはや笑えるほどに滑稽だが、この状況に追い込まれたら、、と感情移入してしまうとこちらまで泥沼の中でもがいているように気持ちになってくる。秘密の無い人間なんていない。知らない方が幸せなことなんてこの世の中にはたくさん溢れてる。そんなことを痛烈に思わせる作品でした。
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