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おとなの恋の測り方のpuppyのレビュー・感想・評価

おとなの恋の測り方(2016年製作の映画)
5.0
めちゃくちゃ良かった。
すごく大切なことが詰め込まれてる映画。すごく好き。
主人公のディアーヌはブロンドで、誰もが振り返るくらいの美女。あんな風に奇異な目で見られることはなかったんだろうな。
アレクサンドルは背は136cmだけど品があってユーモアもあり、人に親切。愛される人。
そんな気丈な性格で周りなんて気にせず巻き込んでいくくらいなのかな、なんて甘く考えていたけど、映画にしてはしっかり、彼の葛藤や悩みが描かれていた。
私も163cmと身長が高く、周りの子が小さい子が多いため10cm1人だけ頭が出ている状況がよくある。
たった10cm。
だけど、すごく恥ずかしい。
買い物に行っても小さい子が多く、「背高いですね」と言われたり、じろじろ見られることがある。163cmでも。
136cmで、あんな風にじろじろと見られること。いつもだいたい自分が一番小さいこと。受け入れることなんて簡単じゃない。
できたと思ってもすぐにコンプレックスは顔を出す。乗り越えた気でいても、誰かと比べたり、誰かに見られるたび劣等感は戻ってきちゃうから。
だから、アレクサンドルがどれだけ努力しているかがよくわかる。
そして、ディアーヌの「じろじろみすぎて首が痛くない?近くに移動しましょうか?」なんていう、喧嘩っ早いところも好印象だった。かっこいい。
きっと彼女が今までじろじろと見られてきた目と全く違うことが気持ち悪くて、敏感になったんだろうなあ。
ディアーヌのおとうさんも素敵だった。
「障害はお前の心にある」「小さいのはあなたの心」本当に大切なことは自分の気持ち。それなのに、私たちは自分と違うもの、「普通」と思い込んでるものと大きく外れているものに容赦しない。
なぜか相手を見下し自分が優位な立場だと勘違いしている。
映画だから、じゃなくて自分に置き換えてみることができた。

息子はすぐたかる、ろくでなしかと思ったけど父親を尊敬して愛していていい子だったな。彼の気持ちがよくわかるから、最後アレクサンドルはどう出るかドキドキしたけど
あんな風に決意表明したディアーヌなら大丈夫だと思う。きっと、揶揄する人をぶん殴ってくれるだろうなあ

とてもいい作品だった。
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