puppy

アナと雪の女王2のpuppyのネタバレレビュー・内容・結末

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

うーん。
どうしても前作の方が好きという感情が生まれそうになるんだけど、今作含めてひとつの作品というかんじ。
正直、今までも楽しそうに過ごすのを見ていてもエルサの寂しそうな気持ちな伝わってきていた。なんでだろう、製作者側の意図があったのか。その一つの理由に、何か起こるたびに「私のせいよ…」と塞ぎ込むエルサの姿があった。
(今回もお父様とお母様が旅に出た理由について自分を責めていたように。クリスマスの伝統のお話しでもあったみたいに。)

そしてアナはいつもエルサを気にしていた。もちろん良くも。悪くも、とはいえないけど、ジェスチャーゲームのときだって「私何か言った?傷つけちゃった?」って。
それは2人の思いやりからくるものだろうけど、なんだか少し居心地の悪さも感じてしまう。愛するが故なんだけど。
13年の溝があるから、エルサは自分と同じではないから、だからこそ何で傷つくかわからないし何を悩んでいるかも分からない。そういう気持ちがどこかにあるんじゃないかなって。愛してるが故、気を使うというか。(それって大切なことなんだけど)
エルサも王国に気を遣っていたように感じる。もちろんアナにも。だからこそ「ごめんなさい」ってすぐその場を立ち去ってしまう。立ち去ってしまうところがすべて委ねきれてない、「居場所はここじゃない」って気持ちに結果結びつくような気がした。
女王は2人いらないし、アナにはクリストフがいて結婚すれば王国はまとまる。
そこがすごく寂しかった。国にとっては良いんだけど、そんな、そうなるべきだったみたいにきっちりパズルはまらないでよ…と思ってしまった。

前作のネタ満載でとても面白いんだけど(エルサの中でレリゴーが黒歴史ぽくなってるのとても好き)どことなく常に暗い(大人な、と表現すべきかも)雰囲気。
壁にぶちあたり決断を強いられ変化を受け入れなければならない。辛い作品だった。やっぱりラストの1人でいるアナはなんだか何かが欠けてるように感じてしまった。
エルサは?オラフもクリストフもスヴェンもアナと一緒にいるけど、エルサは1人なの…?
きっとエルサは今幸せだから良いんだろうけど、そこにもエルサが今までずっと「孤独だったんじゃないか」ってモヤモヤを感じずにはいられなかった。いやそうじゃないんだけどね。アナはエルサが大好きだし、本当に愛していて大切なんだもん。エルサだってそう。そうなんだけど…。
クリストフの歌はネタなのかな?不思議な時間が流れて笑えたけど基本的にずっと重い空気だったから心ここにあらずだった。
というかあの時点でクリストフなんかダサい立場になっちゃった…??と不安だった。
だけどアースなんとか(巨人の岩みたいなの)から守る瞬間の「お待たせ」はもう最高にキュンとしたし、アナが「ダムを壊したい」って話した瞬間「何言ってるんだ!?」みたいな反応一切せずにすぐに受け入れて協力してくれるところが、本当に信頼してて愛してるんだなって伝わってきて好きだったなあ。
オラフの一人芝居も、それ見て一喜一憂してる護衛?のおじさんも好きだった。
オラフが溶けるのは反則だったかな。あそこで立ち上がったアナは想像してた以上に強い。

何も否定するところはないし素敵な作品に違いないんだけど、心がざわめくというか、あのエルサを呼ぶ歌声が耳に残って悲しくなってしまうというか。
最近多いなこの展開。そういう気持ち。
時代なのかな。
見返すのには勇気がいる作品かも。

追記
12/1字幕で再鑑賞。
2回目だからか最初からたくさんの伏線に気付けたし、エルサがどんなに悩んで自分を呼ぶ声に応えたのかわかった。
アナが護衛の人と話してて「どんな時も一歩踏み出す」と心に決めた瞬間があったことにも今回やっと気づけた。
とてもとても悲しい決断だったけれど、二回鑑賞してようやく、2つ合わせて1つの作品だと思えた。
でもやっぱり悲しい気持ちがあるのは本音だから、都合よく考えようとおもう。
無理やり姉妹を引き裂かなければいけないわけじゃない。
エルサが人間と聖霊の架け橋になった、橋は両方の地に繋がっていて、私たちは姉妹で…あのシーンが好きだ。
心を決めた顔は美しい。プロポーズを受ける瞬間のアナも可愛い。幼少期遊んでいたとおりになった2人。
puppy

puppy