TakashiM

ニーゼと光のアトリエのTakashiMのレビュー・感想・評価

ニーゼと光のアトリエ(2015年製作の映画)
3.7
精神疾患治療に、ロボトミー手術が合法的に行われていた時代。
今でこそ「知性や人格を犠牲にする非人道的な治療法」であることは明白だが、当時はかなり画期的で、ブームのような雰囲気があったみたい。
それだけじゃなくて、日常的な暴力や電気ショック療法など、今では考えられない治療しかなかったという時代。

1940年代のブラジルでのそんな時代に、患者を「クライアント」と呼び、絵を描く事や、動物を用いた療法を試みたニーゼは、相当な異端児扱いをされただろう。
しかも女性差別のおまけ付き。

彼女は、強い信念をもって次々と行動し、周囲を巻き込んでいく。
上司に逆らい、決して折れることなく、結果を出していく。
あまりにも強引に進んでいくので、あちこちにフラグが見え隠れしてひやひや。
ショッキングな事件もあったが、それでも彼女は突き進む。
これがしびれるほどかっこいい。

本作は、見方を変えれば、世の中を変革する企業ドラマだ。
社会の、そして会社の常識に立ち向かうその姿は、ブラジル女医版の半沢直樹。
ワンちゃんをひどい目にあわせたアイツ、土下座しろーー!!


それにしてもだよ、ロボトミーって禁止になってからまだ間もない。
脳の解明なんて、現代医学でもまだまだなんだよね。
昔、手塚治虫のブラックジャックで確か読んだことがあり、そのときもかなりショックを受けたなあ。
ノーベル賞もとってるとはね。いやはや恐ろしい。。
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