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オリエント急行殺人事件のSPNminacoのレビュー・感想・評価

オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)
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今回のオリエント急行は雪の鉄橋に停止、列車外での場面が多いのが新しかった。列車内でもカメラワークや構図に凝っていて、長回し横移動や真上視点など、ウェス・アンダーソンみたいな。狭い空間も異国情緒の風景も大作らしくリッチだが、オールスターキャストは見せ場が均等に割り振られ、各々その中で張り切ってる感じ。(なんだセルゲイ・ポルーニンの常人離れしたあの回し蹴りは!)
何しろ、ケネス・ブラナー版ポアロがカッコ良すぎるのだ。殆どブラナー劇場だ。コミカルな演出は僅かで、神経症的な面を強調し憂いを持ち苦悩するリアルな人物像。
そして「裁き」をどう解釈して演出するかの違いが見せ所だと思うんだが、最後の晩餐に見えるクライマックス構図とか、最終結論とか、なるほど他と被らないニュアンスを含みオリジナリティを出してきた。デヴィッド・スーシェのガチ・バージョンに比べたら物足りないけど、怒りより悲しみに焦点を当て、シリアスで感傷的なドラマになってる。但し、2時間サスペンスみたいなエンディングテーマ曲は何…。
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