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ルシッドドリーム/明晰夢の消費者のレビュー・感想・評価

ルシッドドリーム/明晰夢(2016年製作の映画)
3.8
・ジャンル
サスペンス/SF/ドラマ

・あらすじ
権力を恐れず多くの有力者達の不祥事を告発してきた記者のチェ・テホ
テホは30件以上の訴訟を抱えるがその姿勢を崩す事は決して無かった
一方で妻と別れてシングルファザーでありながら姉の助けを借り、一人息子のミヌへも惜しまず愛情を注ぐ良き父親でもある
しかしそんな彼の身を悲劇が襲う
遊びにやって来た遊園地でミヌが姿を消してしまったのだ
テホは誘拐犯らしき男の後ろ姿を目にするも何者かに針を刺されると気を失ってしまう…
そして3年後
依然としてミヌは見つからず誘拐事件の糸口さえ見つからない状況に業を煮やしたテホは身代金の要求も無い事から怨恨による犯行を疑っていた
過去に告発をした有力者達に片っ端から食ってかかるテホだったがある日、ネット記事で事件の捜査にも利用されるという明晰夢の存在を知る
記事を読み漁っていくと旧知の仲である医師のソヒョンが明晰夢療法を行なっている事が分かり、テホは彼女に頼み込み明晰夢による捜査を開始していく
その結果、少しずつ手がかりが見え始め容2人の疑者達の素性も判明するが片方は逮捕されると警察署で自殺、もう一方は交通事故で昏睡中であった
更に逮捕された容疑者、ユ・サンマンは死ぬ以前にミヌはギョンファンが殺したと語った
それでも尚、ミヌの生存を信じ続けたテホは明晰夢の利用者達が共通して夢の中で目にするという“This Man”ことヨンヒョンと現実で出会い彼の力を借りて他人の夢に侵入する“共有夢”という技術を使い、昏睡中のギョンファンの夢へと命懸けで侵入するが…

・感想
意識を保ちながら自由自在に夢の中で動き回れる“明晰夢”を息子探しと犯人追及に使っていく、という設定だけでなく夢のハッキングである“共有夢”やテホ以外の明晰夢の利用などもあり展開が停滞せず面白かった
特に危篤状態により崩壊していくギョンファンの夢の中での攻防はCGで派手に描かれていて迫力がある

一方で黒幕は意外性はありつつもテホの疑心暗鬼さを描写する明晰夢開始後の演出などから周辺人物の犯行の可能性が感じ取れてしまったのでそこは逆にもう少しボカしていたらもっと裏切りの展開として良かったかもなぁ、と…

あと話が面白いだけに映画の尺で全て詰め込んでしまうよりドラマシリーズにした方が緊迫感やテホの精神や肉体への副作用などにもっと迫力持たせられたんじゃ…とも
結末が取りこぼされている部分も多かったし

さほど長い作品じゃないし展開が早いからサクッと観られるので無難に楽しいけど逆に早過ぎたかもって感じ
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