Melko

わたしたちのMelkoのレビュー・感想・評価

わたしたち(2016年製作の映画)
3.9
きっつ〜〜〜
ああ、これ、、この感覚、久しぶりだわ、、
ドッヂボールのグループ分けになってるけど、これって花いちもんめ的なやつだよね…どっちのグループからも欲しがられないやつ、ホント辛いんだよ…

貧乏と金持ち、正反対のように見えて、共に絶望的に世渡り下手なソンとジア 2人の物語。

見てる間ずーーーーっと胃がキリキリ
とにかく誰かの悪口を言ってないと気が済まない女の世界
小学4年生、段々と「無邪気」からは離れていく
イジメも陰湿で、悪口や暴言もより心をえぐる内容に

小中高と12年間女子校に通った私には分かる
これは、自分で自分の居場所を選べる日が来るまで、延々と続く

影口を言われ、仲間はずれ、どのグループにも入れず、友達も居場所もなくて、学校を辞めてった友達がいた
彼女は、その後違う学校で伸び伸び生活してると聞いた。自分の居場所を見つけられたのだと思った

私自身、中1の頃、「2人1組になって」で、仲良い友達がいないから毎回余った人と組む時があった
ちょうど、この作品に出てくるボラのような独占欲の強い友達から離れた直後だった
「ちょっと距離を置きたい」ってバス停で話したのを、今でも覚えてる
そのあと、二度と口は聞いてくれなかった
何をしても1人
学校へ行っても楽しくなくて、とにかく行きたくなくて、ずっとお腹痛くてご飯が食べられなくて痩せて、何も楽しく無いし勝手に涙が出る時があって。ずっと暗いから、母親に心配されていた。
私はソンのタイプで、なかなか母親にも学校でのことを打ち明けられず、やっと話せた時はずいぶん心が軽くなったものだった。
誰かと一緒にいて気を使うぐらいなら1人でいたほうがいいと、割り切ってたら、声をかけてくれた子がいて。それからその子とは20年の仲。私が違うグループに入りたいと言った時も、その子は引き止めなかった。「わかった」って言ってくれた。世の中、そんな子もいるもんだ。まさか20年後にその子の結婚式でスピーチするなんて。そんな人生もある。頼まれて、二つ返事で引き受けたもの。

心無い言葉、子ども独特の蔑みの眼差し、ドキドキしながらお互いを見つめる瞬間、かけがえのない楽しい瞬間、悔しい気持ち、マウンティング、臭い、ケータイ、塾、友達、誕生日会、万引き、ケンカ、罵り、マニキュアとホウセンカ

あぁ、ジャケットの場面はあそこなのか。
そうか、そうか…

弟が良い味出してるんだよなー。無邪気で。その姿から学ぶことや気づくことがあるよね。
そんな弟は、友達と遊ぶと毎回アザを作る。弟のことを殴る子を叩いたソンがお母さんに謝った時、お母さんが「謝ることない。姉なんだから弟が叩かれて怒るのは当然。よくやった」って言われる場面で泣いちゃったんだよな、、温かい家族がいて、それだけで十分幸せなんだよ、ソン。
学校に居場所がないなら、テキトーにやり過ごして、あとずっと家にいたっていいんだよ。

そうだ、この苦しい時を経て、自分で自分の居場所をちゃんと見つけられるようになったよな、私
って、思い出したよ。

リアルすぎる空気感や演技に思えない演技が圧巻。どんな空気感で撮影したのか気になる。みんなが通ってきたであろう、あの時期。
何度もは見たくないのでこのスコア。でもすごい映画だった。
Melko

Melko